2006/01/30(月)16:05
青空のルーレット 辻内智貴 ★★
:あらすじ:
青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く
―メシを喰うために、家賃を払うために。
けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。
音楽、芝居、写真、マンガ…。
だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ!
熱く純なハートを持つ男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。
ほかに、第十六回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を収録する。
:感想:
辻内氏は以前に「いつでも夢を」を読んで
とても感動し、いい作家だと思ってたので、
本書も少しだけ期待してたんだけど、
いまひとつだった。
「青空のルーレット」は、
悪くはないけど、なんだかベタだし、
ちょっと狙いすぎな文章が鼻についてしまって、
感動話にも素直に感動できなかったり。
収穫は窓拭きの仕事ってそんな感じなのね、って情報を得たことくらい?w
「多輝子ちゃん」も、
こういった手法の描き方は少し新鮮な気もしないでもないけど、
「小さな恋」の懐かしさ、可愛らしさこそ思い起こさないでもないけれど、
結局のところ、あまり響くものはなく、
なぜ受賞作なのかよくわからなかった。
巷ではわりと評判イイ作品みたいなんだけど、
短編が好きじゃない私には肌に合わなかったのかも。