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2009/08/19
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カテゴリ:オトン
ジャカルタの月刊誌「さらさ」7月号『華子の部屋』に、父のインタビュー記事が掲載されていたので、ご紹介します。この記事に対するコメントは不要でございます…(^ン^)ゞポリポリ

   さらさ7月号.jpg  華子の部屋.jpg       

ジャカルタで書画と剣道を教え、延べ生徒は1000人近くに上る、目黒雅堂さん。人徳なのか、いろんな人が集まって来て、「目黒塾」のような様相を呈しています。退職後の趣味の世界を自由に生きて活躍している、ジャカルタではちょっとユニークな存在です。目黒さんが「生涯教育」と言う、書画と剣道の面白さとは?

華子:目黒さんが書を始められたのは、いつごろですか。
目黒:父親の祥一(祥堂)は書家でした。父は私が4歳になる直前に書を教え始めたのですが、9歳の時に「自分の子供には厳しくなりすぎる」と考え、花田峰堂という書家に預けました。それから12歳まで花田先生の所に通って、いろいろな書を教えていただきました。随分可愛がって下さり、先生は私に墨をすらせながら、自分が作品を書いているところを間近で見せる。いろんな語りかけをしながら書いておられた。その一つが「雅男君、書って何だと思う?」。
華子:む、難しい問いですね。
目黒:「2次元の世界に3次元の世界を作り出すことだ」と。紙は2次元で平面の世界ですよね。平面の上に書くんだけど、字まで平面になっては仕方がない。書や絵とは、3次元の世界、それだけ奥行きがある世界を作り出すことなのだ、と。
華子:絵はわかる気がするのですが、書が「3次元」というのはどういう意味でしょう?
目黒:一本の線だけとってみても、平たい平面的な線もあるし、上達すれば深みが出て立体感すら出てくるものです。いわんや、字。素晴らしい字は人に迫ってくる。感動を起こさせる。逆に言えば、平面が平面で終わっている限り、人に感動は与えられないということです。芸術の世界に入るためには2次元の世界を3次元に昇格させることが必要。それが書の目的ともいえるかな。
華子:書かれた文字の意味に感動する、ということではないのですよね。
目黒:違います、造形の面白さです。面白いもので筆を横にしてはだめで、立てると紙にくいいってくるような線の強い字になる。花田先生の書の本をお見せしましょう。豊かに墨が乗っている、これは「潤筆」。枯れたようなのは「渇筆」。潤筆にも太い線、細い線があるでしょう。こういった線を組み合わせて、深い世界を創り出す。眺めていると心の中にしみ渡ってくるような、豊かな世界が存在するんですよ。
華子:うーん、なるほど、ちょっとわかるような気がしてきました。
目黒:それから、字がうまい下手ということと芸術性とは、平行する部分もあれば、相反する部分もある。人間性や味わいという点で見た場合、下手な方が、心の反映が濃くて面白い、ということもあるのです。重要なのは「自分をどう素直に表現するか」。極論すれば下手でも構わないんです。私は達筆な人の字も、箸にも棒にもかからないような字も、両方とも愛していますよ。下手でも、堂々と下手であればいい。萎縮した下手は表現力が弱まりますから、だめ。「これでどうだ」というぐらいの下手さ加減が楽しくていい。例えば、良寛の字を見てください。笑ってしまうぐらいでしょう。上手に書こうという気持ちは捨て去っている。子供でも書ける字なんですが、大人にして、これを書いているというのが面白い。何とも言えない味わいがあります。
華子:「天上大風」、この字の上の所はどうしてこんなに空いているんですか?
目黒:さあ、何となく、その辺から書き始めたのでは?(笑)書を教える中でも、本当にいろんな人がいます。みんなそれぞれ「DNA」がある。真っ直ぐに書けない人もいます。それはそれでいいんです。書家にもいろんな人がいますよ。花田先生に連れられて行って会った中で、西村桂州という書家は書く時に力を入れすぎるので、パキッと太い筆が折れちゃう。さらに、おしっこをちびっちゃうので、おむつをして書いていました。鈴木酔軒という人は雅号の通り、酔っ払わないと心が解放されず、良い字が書けない。だから、朝からべろべろに酔っ払っている。字もぐにゃぐにゃのクモみたいな字でしたが、いい字でしたね。人を引き込む力のある字でした。そう、芸術家はいびつな人が多いです。私がまともすぎるから(笑)。中学生の時に子供なりに限界を感じて、いったん書から離れ、書の本当の喜びを知ったのはごく最近のこと。こちらで教えるようになってからです。
華子:ジャカルタで書を教え、これまでの生徒は延べ400~500人という数です。
目黒:人に教えることによって自分が育てられる、とつくづく思うようになりました。自分で書いているうちは自分の好きな字だけを書いていますが、教えるとなると、いろんな人の個性を見て、「この人にはこういう字を教えたいな」と本を探したりして、自分のジャンルを広げざるを得なくなる。自分の書の世界が縦方向、横方向の両方に広がった。だから、教えるなんていう大袈裟なものではありません。皆さんのおかげで、こういう世界で遊ばせてもらっています。
華子:書の教室をのぞくと、和気藹々としてとても楽しそうですね。
目黒:書は小学校以来という人が多いです。「またやってみよう」という気持ちが大事。私も最初の1~2回はカンフル剤として真っ赤になるほど直すんですが、それから後はあまりいじりません。ご自分の世界でどうぞ、と。
華子:インドネシア人にも教えていらっしゃいますね。
目黒:彼らは独特な字を書きますよ。楽しく、ほのぼのとしたおかしみのある字です。国民性が字に出るのかな。
華子:絵を始めたのもお父さんの影響とか。
目黒:父の趣味のスケッチにつきあって、小学生のころから描くようになりました。父は鉛筆一本で素晴らしい絵を描く。新しいもの好きだったので、新幹線が開通すると新幹線に乗り、乗車中ずっと、車窓の風景を次から次へスケッチしていく。子供心に、書より絵を商売にすればいいのになと思っていました。私も大学生の頃、描く絵が次々に売れるので、画家を志したことがあります。絵を描くのは楽しく、子供の頃から今までずっと描き続けています。
華子:剣道はどうですか。
目黒:中学生の時に始めました。ちなみに父親も剣士でした。現在の段位は7段。来年には8段(最高段)を取ろうと思っています。ジャカルタ郊外に道場を建てたので、インドネシア人への指導を今以上に深くし、日本人剣士や海外からの剣士を招き、交剣知愛の場にしたい。剣道を日本とインドネシアの架け橋として活動していきたいです。
華子:書画に剣道と、活動が幅広いですね。
目黒:「目黒さんは多才ですね」と言われることがあるんですが、自分では多才とはまったく思っていません。私は剣道とは美学の追求だととらえているんです。強さ、すなわち美しさだと思う。優れた剣士の戦いの姿は本当に美しいものです。立っているだけで絵になる。無駄がなく、理にかなっていて、たおやかで。敵に対して萎縮することなく堂々と立ち向かい、眼力をもって相手の非を見抜いて打つ。殴り合いの世界にあって、美しくあろうとする心は大切だと思うんですよ。美を追求するという一点において、剣道も書も画も同じ。根っこのところでつながっている。
華子:目黒さんの生活の中で3つの比重は同じぐらいなのですか?
目黒:今、一番面白いのは剣道です。「足腰が効かなくなってから、本当の剣道が始まる」と言った先生がいます。そんな馬鹿な、と思うでしょ。でも、自分も人並みに年をとっていき、足のバネが効かなくなっていく。しかし、剣道は強くなっていく。それは何を意味しているか?剣道においては、心の要素が80~90%を占め、肉体的な要素は20%以下にすぎないんです。格闘技の中で剣道だけではないですかね、年齢とともに強くなっていくというのは。
華子:どうして年齢とともに強くなるんですか。心の要素とは何ですか?
目黒:つまり、年を重ねると人間的に動じなくなりますし、経験則もある。さらに、立ち会っている相手の心を読むんです。人間の肉体的な速度には限りがあるし、肩に力が入ると足腰の力が弱くなってしまう。人間は意外にメンタルなことに弱いんです。相手の心を読んで、弱さを突く。もっと言えば、弱さを作り出していく。相手に得意技があったら、使えないように封じてしまう。気で殺す、体を殺す、剣を殺す。そうすれば、相手はでくのぼうと同じ。不思議の世界で面白いですよ。
華子:書画も年齢を重ねるにつれて深まっていくところがありますね。
目黒:生涯教育といわれているジャンルは、皆、そういう要素がありますね。たまたまDNAに導かれ、父親の影響で交わっている世界がどれも、生涯教育と呼べる範疇にあります。続けることで、何かが生まれていく。やっていて飽きることがない。人生の時間を楽しむことができます。ですから、今も楽しみの真っ最中にありますよ。。。 

              ドラちゃん.jpg
                   ジャカルタの実家のドラちゃん





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最終更新日  2009/08/19 08:05:05 PM
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