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カテゴリ:爆笑ネタ
ここ数年、ガーコはずっと、とある女を演じつづけている。
イタイタシイ女。。。 イタイ女の2乗、すなわち、ダブルの悲劇のヒロインである。 事の発端は、ガーコ夫妻が買い物袋を抱えて最寄りのスーパーから出てくるところから始まった。お米と野菜がギッシリ詰まった買い物袋を地面スレスレに持ち運ぶダーリン。彼の逞しい二の腕の血管は、食い込んだ買い物袋の重みによって寸断され、こんもりと青く浮き出て見えた。その傍らで、ガーコはスナック菓子と刻み海苔しか入っていない買い物袋を片手に、わざとらしくビッコを引きながら歩き始めた。まるで、今にも地面に崩れ落ちそうだと言わんばかりに。。。 ダーリンは、見るに見かねてこう言った。 『俺が持とうか?』 『うん。』 それ以来、彼は手ぶらのガーコを尻目に、すべての買い物袋を一人で持ち運ぶようになった。 お次は、週に2回のゴミ回収日。ガーコはさも重たそうにビッコを引きながら、玄関口までゴミを運ぶ。それも、ダーリンの出勤直前の時間帯をピンポイントで見計らって。。。 彼は、「行ってくるょ。」と言いながら、両手にゴミ袋を抱えて出勤するようになった。 さらなるパフォーマンスは、夜のお散歩コースの中間地点にて。 歩くのが億劫になったガーコは、またもやイタイタシイ表情を浮かべて、ビッコを引き始めた。 まるで、左足を粉砕骨折したかのように。。。 すると、ダーリンは、見るに見かねてこう言った。 「肩車してあげようか?」 「うん。」 しおれた花のように振る舞うガーコは、ここぞとばかりに、彼の肩の上にまたがって、彼の首をアナコンダのごとく締めつけ始めた。 すると、どうだろう。。。彼は、息も絶え絶えにこう呟いたのだ。 「べらぼうに気の強いみぃーちゃんが、一瞬、弱そうなところを見せたりすると、つい愛しさを覚えて抱き締めたくなるんだよなぁ。」 ビッコを引くイタイタシイ女は、街灯の暗闇に紛れて、フフッと痛くほくそ笑んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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