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出羽の国、エミシの国 ブログ

『蝦夷の世界』 工藤&新野氏他

「みちのく古代・蝦夷の世界」
 大塚初重/岡田茂弘/工藤雅樹/佐原真/新野直吉/豊田有恒 氏著
  1991.4.30 山川出版社

基調報告:考古学からみた古代蝦夷の文化/工藤雅樹
基調報告:蝦夷のくにの実像/新野直吉

シンポジウム:いま みちのく古代
 蝦夷地域の特徴
 古墳からの出土品にみる中央とのかかわり
 城柵のもつ意味と蝦夷
 古代東北の馬について
 蝦夷社会の争いと平和
 大和政権と東北の前方後円墳

*** 新野直吉氏の蝦夷に対する見解がおもしろい。

 さて、いたるところで蝦夷征伐とか何とかいっているんですが、
政府側は何十万人もの軍隊を動員しても、一遍も蝦夷を征服し
終えたことはないんです。・・・(中略)・・・
蝦夷は一度も負けたことがないんです。
 
ただ、どちらも戦い疲れていて‐中東の戦争のように‐
いつまでもつばぜりあいをしていれば、だんだん疲れてまいりますし、
ずっとしぼんでいくというのが普通であります。・・・(中略)・・・
中には、もう大被害を受けて、こてんぱんに政府軍がやられてしまった例も
しばしばあります。
 
 じゃあ、一体、この蝦夷征伐‐征伐という言葉に問題はあるが‐
東北が本当に支配を受け、征服されたのはいつかということになりますと、
源頼朝が平泉藤原氏を滅ぼして、自分の家来の御家人を東北地方の地頭と
して配置したときであります。そのときまで、何遍やっても、それを中央政府と
言葉で表現するのが妥当であるかどうかはわかりませんが、
ときの政権は蝦夷を征服し終えたとか、完全に大勝利の戦局を展開させ
得たという事実は、歴史上ないのであります。  

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