2009/06/03(水)22:19
異国の模型屋さん
あるものを探していて、目的と違うものを見つけて、思わずそれが探していたものだったと錯覚してしまうこと。
そんなことってありませんか。
捜している間に一葉の小さな紙に目が留まりました。
何の変哲もない紙切れなんですが、小さな思い出がそこにはありました。
お店の案内のカードなんです。
ご覧のとおり、独逸語で書かれています。
小さなイラストが、そのお店が何であるかを物語ってくれています。
今からもう4年以上前のことです。
仕事絡みで海外に行くことになって……(仕事で海外なんて、後にも先にもこれっきりだったんですが)。
最初に付いた街で、食事を終えてちょっと時間が余ったのでぷらぷらしていたんです。
ショーウインドウなんか眺めたりして。
そしたら、オ○クなわたしには避けて通ることのできない、否、入らずにはいられないお店を見つけてしまったんです。
お店はこのあたりにありました。
フランクフルトのレーマーベルク広場界隈です。
いかにも欧風の小さなお店に、所狭しと並んでいる鉄道模型のかずかす。
わたしはすでにいってしまってました(爆)
そんなわたしが入っていったのに気づいたのか、奥から老夫婦がやってきて。
二人のお店だったんですね。
日本人のお客が来るなんてそうそうないことだったのか、興味深げにわたしのことを見ていました(あまりにもじろじろと見ていた姿が怪しげだったのかも)。
しげしげとショーケースに魅入っていると、ご主人がいきなり何か持ってきてわたしに渡そうとしてきました。
手にしていたのはメルクリンのカタログ。
そのままもらっていいものなのかわからないので、
「いくらなの?」
と聞くと、
「ただだよ」
って。
何種類もいただいちゃいました。
ご主人も奥さんも、にこにこしながら応対してくれて。
初めて寄った、しかも、おそらく二度と来ないであろうわたしなんかに、丁寧にほほえみかけてくれました。
異国の模型屋さんで、こんな経験ができるとは思いませんでした。
悔やまれるのは、仕事で来ていたことと、帰りが近ければよかったのですが、訪れたのが旅の初めのころだったので、つい遠慮してしまいました。
もちろん、お財布の中身が心許なかったのは、今と同じです(撃沈)
セール品も勧めてもらったりしたのですが、何も買わずにお店を出ることに。
帰り際、呼び止められて、ご主人が渡してくれたのが冒頭の画像のカードなんです。
「インターネットで通信販売もしてるから」
って。
「ありがとう」
っていってお店を出ました。
余程後ろ髪引かれているように見えたんでしょうね~。
見えなくなるまで見送ってくれていました。
時間たっちゃったけど、今度行ってみましょうか、ネットから(ホントは直接買いに行きたいけど、もちろん無理ですよね~)。
どうせメルクリンのHOか何か買うなら、あのお店で買いたいな、なんて思っちゃいました(;^_^A
後日談(帰国後)。
何も買わずに帰ったから(いわゆる無駄遣いをしなかったので)褒めてもらえるかと思ったら、
「何で買ってこなかったの(怒)」
って……。
最初はわけわかりませんでした。
でも、
「海外に行くチャンスなんてもうないでしょ」
っていわれて納得しました。
買っておくんだった(ノ_-;)ハア…
ではまた。