パティシエの講習会に参加すると、初夏になるにつれ
ココナッツを素材として使う方が増えてくるような気がします。
蒸し暑くなり、そして梅雨。じめじめしたこの季節には、トロピカルフルーツやココナッツのエキゾチックな味と滑らかな口当たりのムース系のお菓子をいただいて、輝く太陽を先取りしたくなるのかもしれませんね。
左)
パイナップル、
マンゴーをガルニチュールにしたタルト
右)
メロンのムースと
パイナップルをアクセントに
左)
パッションフルーツ、
フランボワーズ
右)
5種のピューレを使って
ココナッツに対し、どんな素材を組み合わせていくかがシェフの腕のみせどころ。
フルーツのピューレに関しては、同じ材料を使っても、あわせる比率によってお店の個性が現れます。
ココナッツの使い方は様々。
アーモンドと一緒に焼きこんでパートシュクレにしてしまう方法。ココナッツ味のアパレイユを流し、アクセントに
パイナップル、
マンゴー、
パッションフルーツなどを。
メロンをムースにし、ココナッツと
パイナップルで作ったクレームと組み合わせてアントルメに。
ココナッツ風味のダクワーズ生地を作り、
パッションフルーツのクレーム、
ホワイトチョコレートのクレームと組み合わせ、アクセントに
フランボワーズの赤を。
ココナッツ風味のダックワーズに
トロピカル系ピューレや
バナナ、
苺、
ライムのピューレを組み合わせた酸っぱめのジュレ、クレーム・ムスリーヌと重ねたり。
… 組み合わせは自由なようでいて、甘味、酸味のバランス、相性のいいもの悪いものと、シェフが頭をひねって生み出す味のハーモニーは時に芸術的な感動を与えてくれます。
ケーキ屋さんに行き「そうだムースを食べよう!」と思って注文される時、味の組み合わせを考えるシェフの姿を想像すると、一つの小さなケーキから世界が広がるような気がしませんか?
<フルーツのピューレについて>
色々なメーカーの質の良い冷凍ピューレが、最近は家庭でも手軽に手に入るようになってきましたが、先日あるシェフの言葉の中にプロ中のプロの心構えを感じ、衝撃をおぼえたことがあります。
要約すると、「
どのメーカーの既製品のピューレを使っても、できばえには少しの幅の中でしか変化を出せないので、自分は冷凍のホールのフルーツを(組み合わせ、甘味も調整し)わざわざピューレにすることによって、他店と違う味を出すようにしている」
素材となるピューレそのものから、自分オリジナルのものを作り出す!
…家庭で美味しいお菓子を作っていくことと、プロのパティシエが味を極めていくことの違いはこういうところにあるのだなぁ、と感動しました。
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