カテゴリ:X'masケーキ'07
記事を書いた時からずーっと気にかかっていた小さな事が、ふとした時に、そうだと ひらめき、解決する瞬間があります。
年を越して季節はずれになってしまいましたが、お菓子の世界に興味をお持ちの方は、どうぞおつきあい下さいね。 皆さんも気になりませんでしたか? それは、クリスマスアントルメの会 2007に登場した、パリセヴェイユ・金子美明シェフのビュッシュ・ド・ノエル『ラー ファイエット 』。 ※ケーキのお味など、詳しい説明は、こちらのページに ビュッシュ(ブッシュ)・ド・ノエルとは、フランス伝統のクリスマスに作られるケーキで、直訳すれば「クリスマスの薪」。 昔、暖炉で樫の木の薪を燃やし、一家が長く続いていくように灰を絶やさないようにする習慣がありました。 当時は薬品を使わず、灰を使って畑の害虫を防いでいたので、灰はとても大切にされ、そこから転じて厄除けになると信じられていました。 他にも諸説ありますが、お菓子として作られるようになってからは、その灰のもととなる薪の形に、春を待つ生命力を表すツタ、何もないところから生まれる(と、菌の存在が知られていない時には信じられていた)不思議な命の力強さを持つキノコなどが飾られます。 後に、サンタクロースやトナカイ、雪だるま、ひいらぎ、木こりの持つ斧などもビュッシュ・ド・ノエルを彩るようになります。 これが伝統のビュッシュ・ド・ノエルなのですが、冬の薪からイメージされる中に、春の花はありませんよね??? どうして金子シェフは白いお花を飾ったのかしら?と、ず~っと心の隅にひっかかっていました。雪の結晶をお花に例えたのかな、と自分を納得させていたのですが。 年末にテレビで ターシャ・テューダーのクリスマス の、ヴィクトリア朝さながらの手作りの冬支度の様子を見た時も、彼女の「冬に薔薇はいらない。夏に雪が必要ないのと同じように。」という言葉が耳に残りました。 厳しい寒さの冬でも、工夫次第で一つ一つクリスマス飾りを手作りすることによって、たとえお花がなくても楽しく豊かに過ごせる、という意味合いだと思うのですが、この時も白いお花のことがふと心をよぎりました。 そして、私は、突然思い出したのです。 クリスマスローズ だわ! この可憐な5弁の花びらを持つクリスマスローズは、色々と面白いお花です。 まず「花びら」「お花」と書きましたが、実はこの部分は「がく片」。本物の花びらは退化して小さくなり、蜜が出る部分になっています。 更に、ローズと言いながら薔薇ではありません。キンポウゲ科。薔薇に似ているのでその名がついたようです。 更に更に、毒をもっているのですよ、この可憐な花は~!食べてはいけません。 八重咲きもあります。 最近は品種改良がすすみ、様々な色のものもでてきました。 「キリスト教の逸話として、貧しい羊飼いの少女がイエス・キリスト誕生を祝福しようと訪れたものの捧げる贈り物もなく途方にくれていたところ、天使が舞い降りて雪の中から美しい白い花を出し、その花(クリスマスローズ)を贈り物に捧げるよう告げたという話があります。」 「」内 All About Japanより引用 と、このように伝えられる理由は、クリスマスローズが極寒にも負けず、日陰にも耐え、花の少ないクリスマスの頃から2~3月にかけ、たおやかで清楚な凛とした美しさの花を咲かせるからでしょう。 (厳密にいえば、クリスマス頃に咲くものと2~3月に咲くのは別種ですが、日本ではまとめてクリスマスローズと呼ばれています) 厳冬に咲くクリスマスローズがビュッシュ・ド・ノエルの上に添えられているなら、納得ですね。 あ~、スッキリしました。金子シェフ、さすがです。 パリセヴェイユ Paris Séveille 金子美明シェフ 目黒区自由が丘2-14-5 館山ビル1F 03-5731-3230 営業時間 10:00~20:00 定休日 無休 東急東横線・大井町線 自由が丘駅徒歩5分 2006年のパリセヴェイユのクリスマスケーキ『ジュピター』 パリセヴェイユのお店紹介『ロアジス』『季節のフルーツのタルト』 『パリ←→東京時差ゼロの菓子』 金子美明・著 次は<7> パティスリー・タダシヤナギのケーキに続きます クリスマスローズについて知りませんでした~という方は ↓を押してこの記事を応援して下さいね☆ いつもクリック、ありがとうございます! 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 クリスマスアントルメの会 2007 もくじ 《ガレットのお菓子日記》 (楽天)Homeへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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