2010/02/13(土)01:49
パティスリースリール 岡村シェフのデザート<前編> デセール・ドゥ・ラ・プライム 2008
東京メトロ副都心線の開通をむかえ、始発駅として賑わう渋谷ですが、東急東横店地下一階の東急フードショー(デパ地下)の一角で、6月18日まで「デセール・ドゥ・ラ・プライム2008」というスペシャルイベントが行われています。
これはスイーツ好きにとっては非常に得がたい貴重なイベント
普段お店では持ち帰り用のケーキを販売されているパティシエが、目の前でデセール(デザート)を作り、サーブして下さる という期間限定の夢の時間。
今年から期間が2週間とのびたこと、品数を減らしたことにより、昨年のような大混雑は(曜日・時間帯によっては)緩和され、参加しやすくなりました。
(去年は、前の人が延々と4種類食べ続け、いつまで待てば席が空くのかわからない焦燥感が)
ブラン・マンジェ・オ・ムロン 1,470円
melon = メロンは、フランス語の発音ではムロン
約二日ずつパティシエが交代で登場。お菓子友達の中には、全制覇に近くかなりの回数通い詰めていらっしゃるパワフルな方も(何人も)。
私の場合そういうわけにもいかず、今回は、学芸大学のパティスリー スリール 岡村尚之シェフの回に行ってきました。
岡村シェフはフランスのジャン=ポール・エヴァン、オテル・ドゥ・クリヨンなどで修行、国内ではルノートル、資生堂パーラー、銀座のレストランロオジエの製菓長を経て2005年5月に独立。
ホテル、レストランでの豊かな経験をいかした、どんなデセールをいただけるのか、わくわくしながら出かけました。
ところが…。
オープンと同時に店内に入ったところ、一体、この雰囲気は何?と、たじろぐほどの、張り詰めた緊張感が。
速い!あまりにも速く一皿目のデセールが登場します。
そして、いらっしゃいませに続いては無言…。…。…。…。…。
!レストランなら普通、サーブされる時にデセールの説明があるはず~。
何故無言?そして、何ゆえにその無表情?
先入観を持たずに、その時の説明、自分の目で見て味わって楽しみたかったので、事前にほとんどHPやメニューの説明を頭に入れていなかった私。
気軽に話しかけられる雰囲気ではなかったので、とりあえず食べ始めます。
う~ん滑らか!
これなら重めのフレンチのあと、どんなに満腹でもするっといただけるでしょう。
さし色のラズベリーの赤が白・緑のお皿を引き締めて、目に鮮やか。
持ち帰りができないデセールであればこそできるギリギリの柔らかさのブランマンジェ。
爽やかなメロンのソースは瑞々しく季節感もあり、共にいただくと本当においしい。
…ですが…重い沈黙が、のしかかってくるような…。
これは、私の勝手な期待しすぎが招いたジレンマ。
普段なかなかお話できないパティシエが、カウンター越しに、できたてのデセールを提供してくれる
→ パティシエに、普段作るお菓子とは違うデセールについて色々質問できる
→ そのパティシエがどういう姿勢でお菓子作りに臨んでいるのか、などお店のお菓子についてもお聞きできる
…のではないかと、考えていました。
また、去年、デフェールの安食シェフが笑顔で迎えて下さったので、その印象が強すぎたせいかもしれません。
お金の話を持ち出すのは上品とはいえませんが、1,500円くらいのデセール×今回は2種+コーヒー別料金を思うと、ちょっとしたランチがいただけるくらいのお値段。
それを、雰囲気には期待できないデパ地下のカウンターでいただく意味は?
出されたデセールの皿盛りをただ無言で味わって帰るだけでいいのか、私???
ここでブランマンジェとセットのミルクのアイスクリームが登場。
白いお皿に白いアイスクリームなのでわかりにくいですが、完璧な美しいクネルの形(ラグビーボール形)
これも無言でいただきます。
…このアイスクリームがまた…とびきりおいしい~っ!
ココナッツ風味のブランマンジェをメロンのソースでいただいていたその途中で、これを口にしたとたん、口の中がまるで違った刺激を受けて目をさますかのような驚きが。
豊かな風味と滑らかにとろけるような口当たりのこのアイスは一体何物?!
ヴァニラのようなはっきりした香りを足しているわけでもないのに風味を感じるのは、これは牛乳そのものの持つ自然の香りでしょうか。
ブランマンジェは、いただく前にギリギリの柔らかさであることを想像していましたので、美味しいものの激しい驚きはありませんでしたが、何気なくいただいたこのアイスクリームには目をみはる思いでした。
ああ、もうだめです。黙っていられません。
なんとなく、怒られてしまいそうな怖さがありましたが、勇気をふりしぼって岡村シェフに話しかけます。
今までに多くのシェフとお話させていただいていますが、こんなに緊張したのは初めてかも。
ブランマンジェ(=白い食べ物)に白いアイスをあわせたのは、「白」という色を意識されてのことでしょうか、との問いには、ココナッツ味のブランマンジェを食べている途中で、単独でも美味しいこのミルクのアイスクリームを召し上がっていただくことにより“箸休め”となるとのこと。色を意識したのではなく、相性の良さでこのアイスを選んだそうです。
“他とは違った牛乳”“これを出している人は他にはいないだろう”とおっしゃる所にシェフの自信が垣間見えました。
確かにデセールの印象が途中で大きく変わるこのアイス。絶品です♪
味わっている最中、ふと見ると、シェフはりんごをソテーし始めています。
それ、私の分…ですよね。
慌てます。
もう一品いただく間に、この後、上手くシェフとお話ができたでしょうか?
お店を後にした時に私が感じたことは?
後編に続きます
パティスリー スリール Pâtisserie Sourire
目黒区五本木2-40-8
03-3715-5470
営業時間 10:00~20:30
定休日 : 水曜日
イートイン6席
東急東横線学芸大学駅より徒歩7分
タルトの多様性 岡村尚之 2,625円 送料無料
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