2008/12/08(月)14:02
プラリネとは何?整理してみました
お菓子を食べる時、時々耳にする単語プラリネ。
でも、改めて「プラリネって何?」と聞かれると、正確に即答するのは難しいかも。
プラリネと聞いて思い浮かべるのは、どんな色、どんな形?
ここでご紹介するのは全て広い意味でプラリネ(プララン、プラリーヌ)と呼ばれているものです。
え~っ、こんなにあるの!と驚いて下さいね。
◆ ベルギーでプラリネとは『一粒チョコレート』 ◆
2008年7月12日 ブルージュのDUMON 店頭のプラリネ
サイズはこれよりやや小さく作り方も違いますが、フランスでは一粒チョコレートをボンボンショコラと呼びます。
センターに何かが入り、周りをチョコレートでカバーし、一口(ベルギーでは二口)でいただけるサイズ。
特にベルギーでは型を使って作るため、多くの美しい形・面白い形があります。
この夏のベルギー・フランス 夏のショコラとお菓子の旅 2008 の中でも何度も登場☆
プラリネ=ナッツ関連、と思い込んでいましたので、アーモンドを使っていない一粒チョコもプラリネだと知り、驚きました!
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◆ プラリネとは『アーモンド(ナッツ)の糖衣菓子』 ◆
プラリネ praline は、英語の辞書では『アーモンド(ナッツ)の糖衣菓子』
仏語辞典でもプラリーヌ praline は『焼いたアーモンドにカラメル状の砂糖をからめたもの』
カラカスマンデルン 家で作りました☆
糖衣(とうい)って何?と思われますよね。
糖衣とは、文字通り砂糖衣で周りを覆うこと。“カラメルがけ”もその一種。
ナッツをシロップの中で炒め、砂糖を白く結晶化させてから更に火にかけて煎り、飴化したところでくっつかないように処理をして、一粒ずつばらして冷まします。
カリカリポリッとした食感が心地よく、ぽいぽい口に入れ、つい食べ過ぎてしまう美味しさ♪
更にラルース・フランス料理小事典によると
プラリーヌ praline は『アーモンドを様々な色の糖衣で包んだもの』
ん?様々な色?
そこで思い浮かぶのは、リヨンの伝統菓子 プラリーヌ。
湯島のロワゾー・ド・リヨンで見かけました。
これは、アーモンドにグラナデンシロップ(ざくろ)をコーティングして結晶化させたもの。鮮やかなピンク色です。
ロワゾー・ド・リヨンお取り寄せから、砕いたピンク色のプラリーヌがチョコレートにまぶしてある写真を。
↓写真をクリックし下の方を見ると説明が
ロワゾー・ド・リヨンではブリオッシュリヨネーズ↑(パン)の上にもピンクのプラリーヌが。
※ 同じ「アーモンドの糖衣がけ」でも、パステルカラーや金銀など色とりどりの砂糖衣で包んだお祝い菓子はドラジェ。広義ではプラリネの一種になるかもしれませんが、区別されています。
銀色のドラジェ
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◆ 『ナッツのカラメルがけを砕いた粒』もプラリネ ◆
カラメルがけしたナッツを砕いたり小さく刻んだ物もプラリネと呼ばれています。
生地の上に散らして焼きこんだり、仕上げの飾りに振りかけたり、クリームに混ぜてガリガリっとした食感を持たせたり。
写真はヘーゼルナッツ
↑飴がらみにして固まった後、包丁でザクザク切ります
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◆ プラリネとは『ナッツのペースト』 ◆
JCAプラリネペースト
上からアーモンド、ヘーゼルナッツ、ウォルナッツ(クルミ)
ラルース・フランス料理小事典を要約すると
プララン pralin は『砂糖とバニラを火にかけ茶色くなった所にローストしたアーモンドを混ぜ冷まし、細かくすりつぶしたもの』
つまり、キャラメライズされたナッツを粉砕してローラーにかけてペーストにしたものです。
用途は、焼き菓子生地に混ぜ込んだり、クリームとあわせたり。
使用例 藤生シェフのプラリネ講習会
一粒チョコも、アーモンド菓子も、そしてペーストもプラリネ?
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◆ プラリネとは『一粒チョコのセンターの一種』 ◆
更に混乱を生むのは、プラリネ(一粒チョコ)のセンターとして使われるものの一つにプラリネがあるという点です。
プラリネ(一粒チョコ)の中のプラリネ
パリでもベルギーでも、ショコラトリーに入り、目の前に並ぶ一粒チョコレートを選んで箱詰めしてもらう時に、自分の好みや贈る相手の好みを考えて、中身の傾向をお店の人に伝えることがあります。
例えば「お酒が入っているものとマジパンのものはやめて。」とか「キャラメル味のを入れて。」とか。
するとお客さんの好みに合わせ、店員さんが(時々これはどうします?とか尋ねながら)適当にバランスよく詰めてくれます。
その時に、選ぶセンターの種類の一つに「プラリネ」があるのです。
ゴディバのHPには、写真付でセンターのプラリネの種類が説明されています。
ゴディバによれば、プラリネとは「ヘーゼルナッツやアーモンド主体のペーストにカカオバターや特別なフレーバーを加えたもの」であり、用途は粒チョコレートの中身として使われる、とあります。
つまり、ゴディバで「プラリネ」というと、一粒チョコの中身のことをさすのですね。
しかし、辞書にはこんな記述も。
プラリネ praliné 「プラリーヌ入りのチョコレート(菓子)」
「2枚のパート・ダマンドの間にクレーム・プラリネをはさみ、周りに細かいアーモンドをつけたお菓子」
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◆ これもプラリネ? ◆
ここ数年、エクレールの上にフォンダンがけの代りに薄いチョコレートの板をのせることが流行しています。
ベルギーで食べたピエール・マルコリーニのエクレール・カフェは、チョコの板の上に更にナッツをキャラメリゼした薄い板をのせるというダブルの技。
↓これもプラリネ…かな
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