2009/01/25(日)19:11
マカロン三変化 サロン・デュ・ショコラ2009 会場レポート2
伊勢丹新宿本店のサロン・デュ・ショコラ 2009 の会場では、人気のマカロンが様々に進化していました。
マカロンとショコラの個性的な組合せが☆
まずはフランス東部メッスから参加のM.O.F.パティシエ、フランク・フレッソン(Frank Fresson)氏のマカロンの扱いは…
プレビューの時、スプレーをシュッと吹き付けてマカロンを貼り付ける姿が目をひきました。マカロンを葉に見立てているのね、と漠然と思っていましたが…
完成品を見てびっくり!カラフル~!黒いマカロンもありますね。
『マカロンの盆栽』!
「ショコラとアート」という今年のテーマに添って会場のあちこちに設けられたチョコレート細工等の作品スペースは、キャレ・ダール(CARRE D'ART)=角皿のアートと名付けられています。 carré=正方形(の)
フレッソン氏のお店にも、日本の盆栽にインスパイアされて作ったというこのオブジェが飾られているそうです。
盆栽とマカロン…。ショコラの幹とマカロンの葉。
なかなか日本人にはない発想かもしれませんね~。
Frank FressonのHPは、動くマカロンをかき分けてクリックするという可愛らしい内容♪↑
9種類のマカロン
カフェ
カシス・ヴィオレット(カシス・すみれ)
パッション・ヴァニーユ
ショコラ・アメール(ビターチョコ)
カランバ(?caramba)
ミント・フレッシュ
シトロンヴェール・ジャンジャンブル(ライム・生姜)、
フランボワーズ・ローズ
レグリス(甘草)
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続いては、このブログでもおなじみのミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマの土屋公二シェフ。
昨年私がベルギー、パリにショコラを求めて旅をしたのは、土屋シェフの著書『フランス、ベルギーショコラを巡る旅』に触発されたからです☆
『テオロン』を持つ土屋シェフ
土屋シェフといえば、いつもラグビーボールと似た形のカカオポッドを手に持つイメージがありますが、この日は新作の『テオロン』を持って紹介して下さいました。
「もしかして…テオブロマの『テオ』と、マカロンの『ロン』ですか?」とお聞きすると、その通り、というお答えが。
うっ!そのまんま。なんと覚えやすい!直球勝負のお名前でした。
(『ツチロン』では言いにくいので『テオロン』にされたのかな???)
バニラビーンズ入りと、フランボワーズ、ショコラ、パッション、ピスタチオという淡い色合いが上品で美しいこの商品。
マカロンかと思えば違っていて、「マカロンの形をしたショコラ」とのこと。
わ~、マカロン型チョコですか。(可愛い♪)
『テオロン』 10個入り 3,990円
サロン・デュ・ショコラ初日にあわせて新発売
「この箱見て見て、蛇ちゃんが食べちゃったらお腹の中まで入っちゃった(という絵)」
「食べ物の箱に蛇を使うのはどうかとも思ったけどね(でも、いいでしょう~?)」
「箱に金と銀を使ってますよー(すごいでしょ)」
前にもご紹介しましたが、土屋シェフは、いかめしい顔付きのお写真からは想像もできないほどお茶目なシェフでいらっしゃいます。
「蛇ちゃん」…。土屋シェフの熱い講習会を思い出してしまいました。
以前、可愛いデザインの箱が多いですね、とお聞きした時に、「食べ終わった後も家においておいてもらいたいからね」とおっしゃっていました。
まさにとっておきたくなるようなキュートな箱が多い多い。
チョコ関連の子ども服ファッションショーの最後に、ショコラティエ・パティシエの皆様が一人ずつ壇上で紹介されて登場しましたが、土屋シェフが出ていらした時に、周りの(フランスの)方々がひときわ大きな笑顔になり、拍手も大きく盛大に土屋シェフを歓迎されていらっしゃいましたね(←事実です)、とお伝えすると「友達が多いからね」とおっしゃる。(あ、少し照れている…)
外国人シェフと、今でも時々会って、交流を深めているとのこと。その様子も語って下さいました。
「(彼らから)刺激を受けるが、『融合』を考える。相手を認めてお互いに刺激を受けながら一緒に歩んでいく」
戦う、というよりは一緒に歩む。お互いを対等と認め合い高めあっていく。
土屋シェフが自然体に見えるのは、常にトップであり続ける努力をしているという自信に裏打ちされているからでしょうか。
個人店としてサロン・デュ・ショコラにずっと参加し続けていることの難しさについて伺うと、「お客様も百貨店も、変化を求める。その中で残っていくのは非常にたいへん。目立つことを一回やるのは簡単だが、(それよりも)あそこにいけば本当に美味しいものが食べられるという安心感を大切にしている。」というお答えが。
駄洒落をふりまくおやじな一面と、作品に向かい合う真摯な表情と、トップであり続ける才能と努力。
色々な面を見せて下さる土屋シェフから、目がはなせません。
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そしてもうお一方。
スイーツ界で誰もがご存知“世界のアオキ”ことパティスリー サダハル・アオキ パリのサダハル・アオキ氏。
直接お目にかかるのは初めてです。
青木氏が提案するのは、マカロンに薄いクーベルチュールでコーティングし、ビビッドに色づけした『ショコロン』。
ショコラ+マカロン=ショコロン。こちらも非常にわかりやすく覚えやすいお名前ですね。
アオキ氏のオブジェ
写真の色が悪くてすみません。もっとずっとはっきりとした美しい色です。
サダハル・アオキ 『ショコロン』 4個入り 2,100円
アオキ氏をイメージする時に常に浮かんでくる言葉は「モダン」。
シャープな長方形や正方形。
丸いマカロンをのせる時もお皿は角皿。
サダハル・アオキ氏
ところが、初めてお目にかかったアオキ氏は、全く“とんがった”所のない親しみやすい笑顔の非常に感じのよい方でした。
次から次へと色々な人が話しかけていく合間を縫って、せっせと箱にご自分のサインをしていらっしゃいます。
少し(かなり)緊張してしまった私は、どういう質問の仕方をしたのか自分で覚えていない情けなさですが、アオキ氏が「難しい質問ですね~」とおっしゃった後に「ベースはパリに。」と答えられたのをしっかり覚えています。
お聞きしたかったのは、日本人としてパリに乗り込んでいき、フランス人に日本のテイストを持ったお菓子を提案している、という日本ベースの感覚なのか、それともフランス人の中に溶け込み、フランス人の立場で彼らに受け入れられるお菓子を作っていくという感覚なのか、といったことだったのですが。
「和」の素材である抹茶やユズ、胡麻などを使ってはいても、日本のお菓子をフランスに伝えているわけではなく、フランスで人気を博したお菓子をそのまま日本に伝えるというフランスベースの姿勢。
と文章にすると硬くなってしまいますが、アオキ氏から受ける印象はとても柔らかい。
温かな笑顔がとても印象的で「シャープ」というお菓子から抱いたイメージとはちょっと違う不思議な感覚でした。
アオキ氏がお菓子を作っている姿を拝見してみたい!
ではマカロンのお話を。
「マカロンは、今から三年ほど前に2位をとったことですごいことになっていた」と。(よく売れたということ)
今は、マカロンのセンターは、バタークリームをやめ、ガナッシュにしているとのこと。
そして、今回新登場のショコロンは、見た目も面白く、紹介したかったと、自信をのぞかせていました。
あ~、なんだか支離滅裂なレポートになってしまい、ごめんなさい!
アオキ氏のお菓子については、また別の機会にまとめますね。
ということで、いかがでしたか?
『マカロンの盆栽』『テオロン』『ショコロン』
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