ガレットのお菓子日記

2010/03/05(金)21:35

あまおとめコンフィチュールお披露目会 2. 和泉光一シェフ指導

パティシエのお菓子(279)

 真っ赤ではなく少し淡い紅色で大粒の苺「あまおとめ」。 愛媛産で関西までは出荷され、東京進出はこれからというこの苺のことを、なぜか聞き覚えがある気がしていました。  実は、幸せのケーキ共和国を主宰、様々なスイーツイベントも企画する平岩理緒さんが、昨年末に開催された「クリスマスアントルメの会 2009」に参加した時に、一足お先にこの苺を使ったケーキをいただいていました!        2009年 X'masアントルメ 和泉光一シェフ作『コランダム』 あまおとめ使用  このケーキは新宿伊勢丹のクリスマス限定商品。 現在独立出店準備中で、店舗を持たない和泉光一シェフのケーキが購入できる貴重な機会でした  淡い味わいの苺のムースの下に、スパイシーでナッティな生地、さらに一枚バリッと食感のある(確かコーヒー味の)生地が。 この時は苺自体は食べそびれ、ムースとコンフィチュールに使われたという「あまおとめ」の名前だけ、記憶の底に残っていました。   和泉シェフの『コランダム』cut        平岩理緒さん  さて、表参道で開催された「あまおとめコンフィチュールお披露目会」は進んでいきます。 今回、開発に最初から関わり、認知度を高める協力をされているのが前述の平岩理緒さん。 スライドを映しながら、あまおとめ開発の経緯をテンポよく説明されます。  最初に、今作っている苺ジャムを見せてもらい、味の良さを評価。 1kg入りの大瓶は東京では売りにくいと思われ、サイズを検討。  苺畑も見学。昔は低い位置で栽培されていたため、農家の人が腰を痛めることもあったそうですが、現在は地面から離して苺を宙に浮かせて育てる高設栽培をされているとのこと。 あまおとめ 高設栽培  もう一人の強力な手助けは、愛媛県出身の人気パティシエ 和泉光一シェフ コンフィチュールブームが一息つき、ありとあらゆるものが出尽くしたともいえる東京で、故郷の味「あまおとめコンフィチュール」を売りだすために力を尽くします。  あまおとめの特徴を生かしたコンフィチュールを作るために、まずはコンセプトを明確に。  大切にしたいのは、「苺の粒の“ごろごろっと感”」。 そのため、「蓋を開けた時にホールの苺が見えるように」(煮崩さない)   苺の美しい色を引き立てるため、「アクをしっかりとって透明度をもたせる」    また、もう一種類は、バルサミコや胡椒、ハーブなどの目先の変わったものとあわせることを回避。 苺の良さを引き立てる最良の組み合わせとして、懐かしさを感じる味・ミルクを選択。 そのまま煮詰めていくと生キャラメルになる、その手前でとめたミルクコンフィチュールと2層にすることに決定。   あまおとめコンフィチュール『いちごみるく』   和泉光一シェフ  何度も何度も試作を重ね、丸3日かけて手間と時間を惜しまず手作りする方法をとります。 最も手をかけるところは「丁寧なアクとり」で、これには実際に生産する加工部の皆さんも声を揃えて「たいへんでした!」と感想を。 あまおとめコンフィチュール 試食  瓶の外側から見ただけではよくわからなかった苺のかたまりが、本当にゴロゴロと♪ 『つぶより苺』は、タイトル通り、粒がしっかり。やや甘め。酸味も出ていてはっきりとしたお味。 『いちごみるく』は、まず苺の味と香り。そしてワンテンポ後にミルクコンフィチュールの味が奥から出てきます。濃厚! あまおとめ試食  のちほど、あまおとめ自体の試食もありました。 一口では全く食べきれない大きさで、その迫力に圧倒されます。3口サイズですね。 甘さがあり、本当に瑞々しい! その整った美しさを称賛します。  この大粒の苺が、コンフィチュール1瓶につき7~8粒入るというのですから、なんとも贅沢です。 平岩理緒さんと和泉光一シェフ  さらなる嬉しいサービスは、和泉シェフによるコンフィチュール実演。 途中差し替えを交えながら、さっと作り方の説明があります。 (細かい所は省略)  酸味づけと変色を防ぐために愛媛県産のレモンの輪切りを使用。 クエン酸、酒石酸を使うと安定しますが、このコンフィチュールには余分なものは一切加えません。 この状態で、まず一晩おきます。    水分が出たら沸騰させアクとり。すぐに火をとめ、また一晩おきます。これを繰り返すと苺の中までシロップが浸透し、ふっくら。 そして最後にさっと煮詰めていきます。 和泉シェフのこの作り方は、マロングラッセからヒントを得たとのこと。  今回お招きいただいたお披露目会は、こうして盛りだくさんに情報をいただいてなごやかな雰囲気の中、終了しました。 容器や販売方法などを、あと少し細かい所を決めてから、東京で販売されると思います。 生産者の顔が見え、和泉シェフ・平岩さんの協力で完成したコンフィチュール。 どこで、どんな形で、この新しいコンフィチュールに出合えるのか、今から楽しみですね。 翌日の朝食 ドミニク・サブロンのバゲットセレアルを軽くトーストして「いちごみるく」をあわせ、さっそくいただきました~ ※写真は全て掲載許可をいただいています あまおとめコンフィチュールを食べてみたい!と思われたら  ↓を押して応援して下さいね。 いつもクリックありがとうございます♪                         こちらも↑クリックしていただけると嬉しいです 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ガレットのお菓子日記 Home へ 食べログへ

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