2007/05/27(日)11:18
原子力発電所で? 2003年春
”原子力発電所内で職員が気分不良を起こしました。”
”患者さんは救急車で来院してます。”
”脳外科の先生すぐ来てください!”のこの病院のお約束コール。
はいはいと行けばいいことだが、ちょっと待った。
僕:ええと、頭を打ったんですか?(外傷でなければ、内科の領域ということ)
原発職員:頭を打っているかどうかわからないのです。怪我は無いようです。
気分が悪くなり、意識がもうろうとしたそうなのです。
正直びびりました。
僕:えーっ!それは頭打ったんじゃなくて、もっとほかの・・・まさか・・
言いにくいけど、目に見えないものによって引き起こされた病態じゃないんですか?
原発職員:いやそれはないです。放射線とは関係ないところなので・・・
僕:・・・と言われても、正直僕は恐ろしいです。気分不良の原因は多種多様です。
ここはまず、契約医の放射線の先生に見てもらって、必要なら脳外科医を呼んでいただければありがたいです。(病院と発電所の契約ではまず、放射線科医が診察することになっていた)
原発職員:そう言わず、見てください。
放射線科の先生はまず脳外科の先生に診てもらうように指示されています。
つまり、一番初めに診察すべき人はその辺にいないということ。
それじゃーなんで放射線科医が連絡してこないの?・・・という疑問も残る。
まっ、いつもどおりのなんとなくあとくされの悪い感じ。
患者も希望しているというので、おそるおそる診察。
外傷なし。神経学的欠落なし。心電図・CT異常なし。
血圧やや低め。坐位にするとさらに低下傾向あり。
・・・おそらく立ちくらみ。
はぁーほんとうに怖かった。目に見えないものは恐ろしい。