あるDrの半生(反省)by ge5999

2007/10/14(日)22:30

包括医療 (2005年夏)

半生(218)

審査担当の医療機関に包括医療を適用した病院が入ってきた。包括医療では、出来高制の医療のレセプトと異なり、こまごました薬品や処置、検査の明細はあがらない。病名が何個かあって、手術のある/なしがあり、手術に必要とした物品は別請求となる。見るところがたくさんないので、審査は比較的楽。これから先、このような審査が増えたら、審査員の数は半分に削減されるだろう。脳外科の審査員も2人もいらなくなるだろうなあと思いつつ、審査していた。  と、妙なレセプトを見つけてしまった。主たる病名はくも膜下出血。手術あり。まあ、手術ありは納得する。ネッククリッピング術という70-80万円の手術だ。しかし、次の日に、開頭血腫除去術が算定されている。これに対する病名は、皆無・・・ 同日にネッククリッピング術+開頭血腫除去術という組み合わせは成り立つ。くも膜下腫血の原因が、中大脳動脈瘤の破裂の場合(この医療機関は破裂動脈瘤の病名もない)は脳内に血腫ができることがときにあるのだ。この場合は主たる手術=ネッククリッピング術のみの請求となる。しかし、このケースでは明らかに次の日の手術となっており、考えられるのは、術後出血による再開頭である。これも時にはあることで、納得しないわけではない。だが、算定するならその説明のコメントが必要だ。最低でも病名(術後出血とか)が必要だ。僕には想像できても保険者は納得しないだろう。  即断はよくないので、この症例は置いて他のレセプトを通覧してみた。やはり、この医療機関には誠実な態度がみられない。保険適応を無視した請求があちこちに目立つ。独自の判断で種々の治療をされているようだ。そこで、今回はこの開頭血腫除去術の請求を査定した。 名のある病院だ。どんなことになるか・・・

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