ヒレカツ
ヒレカツを作るたびに思い出すことがあって、それは私が初めて母に「ヒレカツを作っておいて」と命じられたときのこと。たぶん、まだ自分も小さかったし、妹に手伝ってもらった記憶もないから、小学生だったんじゃないかと思うんだけど、ヒレ肉を縦に切ったんですね、わたし。だって、ヒレカツなんて見たことも食べたこともなかったし。見たこともない肉だし。肉を輪切りにしたら、すごい小さくなるし。と思って、縦長のヒレカツを作ったのね。母がすごい怒ってねぇ・・・「普通、横に切るでしょ、ふ・つ・う!」ってさぁ。「なんで縦に切っちゃうのよ、シンジラレナイ!」とか言われちゃって。あのとき叱られながらも「おまえが無理言ったんだろーよ・・・」と思ったこと、ヒレカツを作るたびに思い出して、「でも今は上手に作れるもんね、フフフ~」って、キッチンでひとりニヤニヤしてしまうのです。そんな獅子の子のような下積み生活を経て、現在の私があるわけです。あんなに怒ったこと、母はもう覚えてないんだろうな~。ちなみに現在は、ヒレ肉は厚くななめに切って、肉が2倍の面積になるくらいまで叩いてからカツにしています。やわらかくておいしいよー。母よ、そのうち食べさせてあげようね。