2007/09/24(月)23:38
安倍総理、最後の会見
なんて真面目なのか。
政界のみならず、世間はいまや、
福田新総理の組閣人事に耳目が集まっているというのに、
この方は、最後まで≪真面目な人間≫のままでした。
そんな会見の様子を拝見していて、
思わず思い出されたこと---
「人は意志剛毅ならざるべからず。しからざれば決して戦争もしくは政治のことに与(あず)かるべからず」
というナポレオンの言葉。
意志が剛毅じゃないのはだめだ。
意志が剛毅じゃないなら、戦争や政治には関わるな。
平たく言うと、そういう意味ですが、
さすがにナポレオンだと改めて思います。
道義的に真面目で純粋な理念の持ち主が、
政治において事を決するようなことはほとんどない。
そういった人物が政治において事を決するような立場に立たされるとしたら、
おおむね御輿に乗る役割を与えられるときで、
御輿に乗った人物がそこで采配を振るおうとしたら、
御輿を担ぐ人たちは担ぎにくくなるだけじゃなく、
下手をすれば御輿そのものを転覆させてしまう----
担ぎたくない人たちが担いでいる場合は、なおさら。
いかに高潔な人格だったとしても、
いかに真面目で誠実な人柄だったとしても、
そうした人物が意志剛毅なツワモノじゃない場合は、
治められる側にとっても、治める当人にとっても、
あまり良いことはないのかもしれません---
そうでなくとも、政治は複雑怪奇。
おまけに魑魅魍魎が跋扈する世界ゆえ、
現実政治においては、やはり、政治に向き不向きという資質は大事だと、
しみじみ考えさせられる安倍総理最後の会見でした。
一年という短期政権で終わりはしましたけれど、
安倍政権で果たされた、あるいは実現が期された政策には、大きなものがありました。
その意味は、決して小さくはなかったと思うわたくし。
その成果は後の判断に委ねるとして、
安倍総理は安倍総理なりに志をもって政権に臨まれたことでしょう。
いまとなっては、1年前の総裁選のことが遠い昔のよう---
総理には、一国民としてお疲れ様でしたと申し上げ、
ご健康のご回復をお祈りしたいと思います。m(__)m