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2004年11月24日
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今日は前から行きたいと思っていた
「フィレンツェ-芸術都市の誕生展」というのを
上野の国立美術館に見に行った。
イタリアが好きな私が行きたがっているだけで
蛇男は付き合わされただけなのだが
なかなか楽しく過ごせたと思う。
というか、私が穏やかに楽しく過ごすことができれば
2人はいつだって仲良しで楽しいのだ。

夜、少し真面目な話をした。
蛇男はちょっと変わった仕事をしており
私には未知の部分が多い。
一生を共に過ごす相手に、どこまで望んでいいのか
どこまで期待できるのか、私がするべきことは何なのか
そんなことをいろいろ聞いているうちに
話題は家のことになった。

彼は実家に住んでいて、仕事も自室での作業が多い。
でも夜は必ず私の家に来て一緒に過ごす。
家族には夜の行き先や彼女のことなどは話していなかった。
こんな生活を始めてかなりの時間がたった。

数ヶ月前、蛇男が私のことを両親に紹介したいと言い出した。
蛇男の部屋には一度遊びに行ってみたかったが
8つ年上で×1な私は、すぐに返事ができなかった。
いつでもいいよ、彼はそう言いその場はそれで終わった。
その後、9月の旅行で私の実家の側を通ることになり
ついでに2人で実家に寄ることになった。
時間も短かったし長い話はしなかったが、
蛇男はうちの両親に挨拶をしてくれた。

それから少し時間がたち、今度は蛇男の部屋に
行ってみようかという雰囲気にもなったのだが
なんとなく流れていた。
流れた原因がわかった。

今私が借りてる部屋の更新が来たら、一緒に暮らそう。
私たちはそんな約束をしていた。
蛇男としては、一緒に生活するのだから
家族にはすべてをきちんと話したいと思い、
まずはママに「恋人として紹介したい人がいる」
と話をしたらしい。
私が年上であること、離婚暦があること。
ママは蛇男に「(彼女とは)会いたくない」「別の人を考えなさい」
と言ったそうだ。
やっぱり。。。予想はしていたけれど。

反対されたのはもうしばらく前のことで、その後も何度か
話をしているそうだ。
彼の態度はまったく変わらなかったので、
私はそんなことちっとも知らなかった。
蛇男が言うには、反対している親を説得してすべて解決してから
私が気楽に会えるようにするつもりだったと。
が、今夜つい話してしまった。
「必ず説得するから」と彼は言う。

恋人のことを反対されて、それで家が嫌になって出て行くって、
よくある話。
俺はそれは違うんじゃないかと思う。
幸せって自分たちさえ良ければってものではないでしょ?
○○のことをちゃんと認めてもらいたいんだ。
本当に幸せにしたいんだ。

蛇男は反対されてからも、家では堂々と振舞い、
家族が集まるときには出来る限り顔をだし、
私のことが認めてもらえるように皆との仲をつないでいる。
いい子にしてたらお願いが聞いてもらえると信じる子供みたいに。
今の仕事も最初は反対されていたが、両親のだした条件を
すべてクリアして説得し、今は応援してもらっているという。
蛇男は家族思いの優しい子。
両親からの信用もあり、時間はかかると思うけれど
私のことも説得してくれるのかもしれない。
だけど。
疑うわけではないけれど、万が一だめだったら?

この件については、私にはどうすることもできない。
今は会ってももらえないのだし。
会ってもらったところで、認めてもらえる自信もない。
蛇男の努力だけが、なんとかできるかもしれないの。
待つだけっていうのが、どれほど心細いか。

「もしダメだったら?」
「○○をとるよ。」

年齢や離婚したことを、こんなに苦しく感じたことはなかった。
蛇男と出会うって分かっていたら。
結婚なんかするんじゃなかった。
私は涙をとめられなかった。

相手が私じゃなかったら、蛇男は仕事も男としても
もっとゆっくり進んでいいはずなのだ。
誰に反対されることもなく、穏やかだったはず。
私も蛇男とじゃなかったら、
同世代の友人と自分を比べて焦ったりしなくていいし、
経済的にももう少し余裕があっただろう。
フィレンツェ展じゃなくて本当はフィレンツェに行きたいの。

でも、そんなお互いを選んでしまった。
「一緒に幸せになろう」と蛇男は言った。
私たちは目の前の壁を超えられるんだろうか。







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最終更新日  2004年11月25日 20時52分55秒
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