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2005年01月28日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
昔の恋人のことを思い出すことはありませんか?
もちろん今の恋人のことは大切だし、愛してる。
昔の恋人の方が良かったとも思わないし会いたいわけでもない。

が、しかし。
やっぱりそれなりの期間、誰よりも共有し通じていた相手を
「元気かなあ?」とか「今幸せかなあ?」などと
ぼんやり思うことはあると思う。
しばらく会わない友達を思うのと決定的に違うのは
もう二度と会うことがないだろうという点だ。
それまで誰よりお互いを思い、濃密な時間を過ごしながら
ある日を境にその関係が終わるというのは特殊なことだ。


私は、蛇男と付き合い始めたとき、同棲中だった。
4年間続いていた年上の相手だった。
私をとても可愛がり、生活の面倒もみてくれた。
きっとこのまま一生共に過ごすのだろうと思っていた。
運命の相手と信じていたので、お揃いのタトゥーも彫った。

蛇男と関係を持ったときから、私の心は変わった。
やっぱり新しい相手は新鮮だった。
彼に無い魅力をもった蛇男にどんどん傾いていった。

蛇男とデートして彼との家に戻る。
そんな生活が苦しくなっていった。
彼にも優しくできなくなっていき、そんな自分の勝手が嫌で
イライラしたり、急に申し訳なく思ったり。。。
彼との関係は悪くなっていった。
私は家を出ることに決めた。
「ひとつ教えてくれ。○○は俺のことが好きか?」
すぐには答えられなかった。
「。。。好きと嫌いに分けたら好きの括りには入るよ」
そう答えるのがやっとだった。好きだけれど。。。
「そうか。それだけで俺は生きられるよ。
一人暮らし、大丈夫か?心配だけど楽しみな。」

引っ越してからもずっと、彼とはズルズル続いていた。
メールも毎日続けていたし、毎週土曜日には会っていた。
彼のペースに合わせた楽しい絵文字と調子の良い文。
週末の食事や買い物。
でもそれは、いわゆる楽しいデートではなく
私にとってはとても複雑な時間だった。
私は、ずっと支えてきてくれた彼を切るのが怖かった。
蛇男を信じることも怖かった。
私は自分が傷つきたくないために、どちらも裏切っていた。

携帯はロックをかけていたし、
土曜日の外出時は蛇男は学校へ行っていた。
4月、蛇男が卒業してからも適当に誤魔化して出かけた。
ばれていないと思っていた。


そんなある日、会社帰りに「話があるから帰ったら電話して」
と蛇男から電話があった。
部屋に着くと、蛇男の荷物が全部なくなり、
部屋で蛇男が使っていたものやプレゼントしたものが
ゴミ箱に突っ込んであった。
驚いて電話すると、すぐに蛇男は来た。

大体状況は分かったでしょ?心あたりもあるだろうし。
もう限界だよ。
ずっと、気付かないふりをしてきたんだ。
何度も見逃してきたけど、もうだめだよ。

こうなって初めて私は自分のしてきたことを理解した。
何が大切か分かった。その場で彼に電話し別れを告げた。
そうしてみせて、謝ったけれどやはり許してはもらえず
最後には私も諦めて「楽しかった、ありがとう」と言った。
蛇男も「辛い」と泣いた。「でも、もう嫌なんだ」。
私と蛇男は別れたのだ。

翌日仕事へは行ったものの、頭の中はゆうべのことでいっぱいだった。
蛇男に電話もしてみたが、やっぱり出てはくれなかった。
翌々日は休みだった。
私は元彼のところへ行き、今までのすべてを話した。
蛇男と一緒にいるとき、一方的に別れを告げてしまったので
全部話して謝った。
彼は怒りもせず、やっと私が家を出た本当の訳や
ここ数ヶ月の態度の変化が理解できたと言っていた。

彼の家にいるとき、蛇男からメールが来た。
怒ったような、感情剥き出しの文字の羅列だった。
やっぱり、まだ終われない。
急いで自分の部屋に戻り、再び蛇男と話し合った。
この時ほど、蛇男が感情的に話をしたことは無かった。
全身で怒り、抗議して、きちんと自分を愛してくれと訴えた。

私たちはやり直すことになった。
そして、その結果を蛇男の前で元彼に電話した。

そっかー、良かったな。
これからは、蛇男君に幸せにしてもらうんだぞ。
俺がちゃんと幸せにしてやれなかったからこうなったんだし
気にすることないからな。

彼は気遣ってそんなふうに言った。
が、もう電話を切るというときに
「今日で、俺と○○は他人だよ。今までありがとう。楽しかった」
そう言って、わっと子供のように初めて泣いたのだ。
携帯を持ったまま、私もただただ泣くしかできなかった。
嫌いで別れる訳ではないのだ。切なかった。
蛇男は私の肩を強く抱いていた。

元彼との4年ちょっとの思い出と、
深く人を傷つけてしまったことと、
たくさんの涙と、
蛇男への愛情
私への疑念
もう一度信じること。

私と蛇男はあとどれくらい一緒に時間を重ねていくのだろう。
別れ話をして、食事も摂れなかった数日間を思い出すとき
元彼の泣き声と最後までの優しさも一緒に少し思い出す。
もう二度とあんな思いをしないように、させないように
自分をしっかり持っていなくては。

昔の恋人が、私より優しい誰かと幸せでいますように。





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最終更新日  2005年01月29日 23時34分57秒



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