カテゴリ:げんげん主夫日記
あなたなら、どうしますか? 今日の昼前、私が出くわしたのは、
4~5歳くらいの、男の子。素足です。脚と脚をこすりあわせたり、 交互に足をあげたり、しています。しばらくの間、泣いていたのか、 顔には涙のあとが乾いていて、今も大粒の涙をボロボロと流しています。 雑踏、とは言わないまでも、そこそこの人込みの中、 「いやだよぉ~」「いやだよぉ~」と、嗚咽としゃくりあげの合間に つぶやいているのは、裸足で地面に立っていることが嫌なのか、親が いなくなってしまったことが嫌なのか、それとも? その時、私は娘と妻とともに、川崎駅から、ラチッタデッラへ向かっていました。 道行く人々は、通り過ぎつつ見ているだけで、誰も声をかけません。 まったく、どいつもこいつも! ビビる娘の手を引いて、その子の目の前にしゃがみこんで、声をかけました。 「どした?」「どっか痛い?」「ひとりぼっち?」「だれときたの?」、、、反応なし。 「おかあさんときたの?」うなずく。「おかあさん、いなくなっちゃったの?」 はげしくうなずく。「そっか、それで泣いてるの?」うなずく。 「おかあさん、どっちいった?」指差すのは、駅へ向かう方向。 「じゃ、だっこしてあげるから、一緒におかあさん探しにいこっか?」 と、そのとき、この男の子が指差したほうから小走りで、女性が登場。 男の子を抱き上げて「ほっといてください!」 未熟者の私は、つい、むかっ腹を立ててしまい、「ほっとけないだろ、そんなん!」と、 言い返してしまいました。 「ほっといてください、この子、わがままなんだから!」と女性。 こうなると、頭に血が登っちゃいます。やっちまいました、「あんたのわがままだろうが!」 あーあ。今になって思えば、こんな暴言はいても、何の為にもならないのは明白なのですが。 「ほっといてください!」と子どもを抱いたまま去っていく女性の背中に、エキサイトした私は 「110番しておこうか?!」と挑発。 女性も振り返って「すればいいでしょ?!してくださいよ!」と怒鳴り返してきましたが、 その顔に、「じゃあいったいどうすりゃいいのよ?」的な表情が見えて、そこで、やっと、 無意味で幼稚な口喧嘩にしかなっていない、と気づいた愚かな私。それでも気持ちは治まらず、 「しとくよ。」と答えてしまいました。それで、お互いに背を向けて、それぞれの向かうほうへと 歩き始めたのですが、すぐに、後ろから「それじゃあ、あんたが責任もって、、、」と叫ぶ、 その女性の声が聞こえてきました。あまりにも、ベタなセリフ。無視して歩く、私たち3人。 もっと、何か、してあげられることが、あったはず。あの母子に。 何があっても、繁華街で裸足で泣いている子どもをほっとくのは、許されない。と思う。 (母親も、まわりのオトナも!) けれども、母親を責めて、口げんかしたって、何にもならない。それどころか、あの母子を、 さらに苦しめただけになってしまった。 母親の怒り、苛立ちの炎に油を注いでしまったようなものだ。 その矛先は男の子に向けられる事だって予想できる。 いっそ、ほっといたほうが、まだマシだったのか? 唯一、自分勝手なコトを思うなら、泣いている子どもを素通りする、という行為を、わが娘に、 当たり前のことと思わないで欲しいから、その意味では、声をかけて良かったとは思う。 後になってから、「あの対応は失敗だよなぁ、」と妻に聞くと、妻は、「周囲のオトナ達に、 あの状況を、もっとよく知らせる、ってコトをすべきだったのではないか」と言っていた。 うむ、それも一理あるが、やはり、あまり意味がないかも。 どうにも悩ましい、どうにも凹む、出来事でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/07/26 12:15:40 AM
コメント(0) | コメントを書く
[げんげん主夫日記] カテゴリの最新記事
|
|