カテゴリ:川柳0
ミサイルに渡してならぬ青い空 渡辺一寸
この句は、第8回全日本川柳大会の文部大臣奨励賞の作品である。 日本川柳界の1年を代表する作品ともいえる。 文芸的には、<標語以下>のお粗末な作品で、こんな句しか選出できない日川協の選 句システムについては、機会あるたびに口にしてきた。 これとは別に、今日、北朝鮮が弾道ミサイルをポコポコ発射するという異常事態があ り、この句をフト思い出してしまった。 あまりにも低レベルな作品であったので、逆に頭の隅から離れない強烈なイメージが あったのだが、北朝鮮という無頼国家が、通常の外交センスでは考えも及ばないこと を仕掛けてくると、この句の存在もまんざら否定ばかりしていられない気もでてき た。 正に<標語>というレベルで、「共感」を生み出す句である。 かつて、プロレタリア文学の一端として川柳が利用されたり、反戦川柳として強烈な 主張を残した作家もいた。私は、個人的には、政治的な一方的主張に川柳を用いるこ とは可としたくない立場であるが、このような時世では、川柳の寸鉄性を生かし、 「諷刺」として今日の時事問題を積極的に川柳も取り上げ、ひとつの主張としての作 品を生み出すべきではないかと感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年07月05日 23時15分04秒
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