八雲立つ
「あんたなぁ、美味しぃ~~い焼き肉が食べたいわ。」あれは、15日の早朝。ババが呟いた。「じゃ、行くか?」 辿り着いたのは、蒜山。「牛肩ロース一人前・・・2,600円」・・・美味かった。ふぅぅ。「あんたなぁ、かわいぃ~~~~い白イルカが見たいわ。」たっぷり焼き肉を食って、満腹になったオナカをさすりながらババが呟いた。「は? 白イルカ?」「そう。島根の水族館におるらしいんよ。」蒜山から、ワシのオンボロ車をブッ飛ばして4時間。浜田市にある水族館「アクアス」に着いた。水族館の北側を走る国道9号線を挟んで、むこうは海水浴場。子供でもいれば、さぞかしおおはしゃぎだろう。その海水浴場と水族館を結ぶ吊り橋風の陸橋で記念撮影。 写真もそこそこに、急いで館内へ。サメやエイが悠然と泳ぎ回る水槽の中を通れる海底トンネル。 ジジババ大コーフン!! シーラカンスの前は急いで通り抜ける! わははは!キレイな魚や、不思議なカタチの魚。知らない世界をちょっぴり覗いた。とっても面白かった。まるで、子供の頃のようにドキドキワクワクしたんだ。神話の故郷、出雲をあとに帰路についた。もう、7時をまわっている。日も暮れちゃった。 オナカがすいたので、米子道の「大山パーキングエリア」に立ち寄った。チャーシューメンを食って売店を出たら、なんだか、他のお客さんみんなが立ち止まって西の方角を眺めてる。一緒になって、ワシも西の方角をみていた。「・・・・・ドーーーン!! ドーーーーン!!」雷のような号音。夜空が七色にキラキラ輝いた、「あっ!! 花火じゃが!!」立ち止まって西の空を見上げるジジとババの肩ごしに希望の光が輝いたように見えた。