あんたがいない夜

「もうなー。　ぜってー、まじーぃんじゃって！！」

とマジ顔で拒否反応を示すのはビム。

今日は、岡山シンフォニーホールで、会社のkey君が参加している
『岡山交響楽団』の定期公演があるので、２人で出かけたのである。
開場が午後1時なので、それまでに会場近くでランチを食べることにした。
あてもなく、ホールに隣接している商店街を歩いていると、
そのお店が目に止まったのであった。

札幌で人気が出て、ずるずるっと岡山まで南下してきたらしい
スープカリーのお店。



その名も『RED SPICE』。
20年くらい前にチョロっと流行ったような、自信満々のネーミング。
こりゃあ、きっと並のカリーではもう満足できないワシを、ヒーヒー言わせてくれるに違いない！
「どーぉ？この店。美味いカレーが食えるかもよ？」
と、ビムに目配せした途端、
ロナウジーニョの弾丸シュートを追い抜かんばかりのスピードで
冒頭の答えが返ってきたのだった。

えええ？？？　そんなに・・・マズい・・・の？？？？？

さすがのオッサンも、少し不安になったが、
しかしよ、そこはホレ。
マズかったらマズかったで、それもまた話のタネにでもなるでねーの。
ものは試しじゃ。
とりあえず、ここで食おうで！
まじぃーんゴー！！で、パイルダー、オーーーーーンンじゃっ！！
ってことで、ズカズカ入店。
先客一組。
ワシらのあとにも、つづいて二組入店。

みーんな、スープカリー。わははは！

ビムもワシも、『鶏やさいカリー・・・750円』。辛さは10番。
この店、辛さのレベルが1番から60番くらいまで指定ができるらしい。
もちろん数字の大きい方が辛いのだ。

ビールを飲みながら待つこと10分。
やってきましたスープカリー。



どーだい？　この美味そーな色合い。
あんたもヨダレがでちゃうだろ？むふふふ。

などとブツブツ言いながらワシがカメラのシャッターを切ってたら、
先に一口食べたビムが、
「あ～～～あ。　やっぱりなぁ・・・・・。」
・・・へ？　
あ・・・やっぱり、美味しくないの・・・？？？

言われてよーくカリーを見てみれば、
そーいや、なんだかスープが薄いよーな気がするなぁ・・・。
すかさずスプーンで一口パクリ。

・・・・・は？　なんじゃ、こりゃ？

メタクソ水っぽいがん！
ワシが頼んだのは辛さが10番じゃで、
スープを10倍に薄めてくれとは言ってないで。
これじゃ、まるで『おでん定食』じゃんか。
ニンジンもピーマンもまるごと突っ込んであるしよ。
なんなんだ？
もう絶対この店、二ヶ月後にはなくなっちゃうよなー。
などどボロクソ悪口三昧。



でも、完食。


だって、残したら勿体無いもんね。

1500円くらい払って店を出た。
バイバーイ。
もう、ボクはニ度とココへは来ないよ。



あーあ。早く、新しい店に変わらないかなー？



さて、いよいよ本題の『岡山交響楽団』の第43回定期公演であります。



午後1時の開場と同時に入場し、席を確保。
1時15分からの本日の演目説明を聞く。
これは、前回もあったのだが、
楽団の人がステージ上で実際の曲を流しながら、
それぞれの演目の聞きどころを、素人にもよーくわかるように説明してくれるのである。
この説明が、実に面白い。
今日のメニューは『モーツァルトの交響曲第40番』と『ブルックナーの交響曲第9番』。
ともに、両作曲家の最後の交響曲作品であるらしい。

モーツァルトはメロディが覚えやすくて、とても綺麗な感じがした。
一方、ブルックナーの方は、重厚な音と繰り返されるリフ。
まるで、ハードロックのようだ。
オーケストラのならではの多彩な楽器に依る音色の彩りの広がりと、
押し寄せる音量の迫力。
同じ交響曲なはずなのに、モーツァルトとブルックナーはまるで違ったアプローチを聞かせてくれる。
仮面ライダーに例えれば『技の1号、チカラの2号』といったところか。




この公演会。
嬉しいことに全席自由なんで、前から5列目くらいに陣取って見た。
やっぱ、折角だもんな。
前で見なくちゃ。

でもよ、反省点がひとつ。
コンサートの前にはビールを飲んじゃダメよ。
もー、眠くって、眠くって・・・・・。




ちなみに、ビムは大満足。
すっごい面白かったってさ。
次回公演も是非、見たいってさ。
ヘイ、Key君。また、チケット、タダでまわしてくれよ。わははは。