『平成18年度倉敷舞踊創造事業「情熱劇場」(2回目)』倉敷市芸文館アイシアター
ダンス、ダンス、ダンス・・・。踊りたい。夜が明けるまで・・・。踊り続けて教えておくれよ。ねえ。4拍子? 明日の事? みんな忘れたよ。鮮やかにジャンプするぜ。転びそう・・・。うつ伏せになっても、もうダンスはとまらない。ダンス、ダンス、ダンス・・・・・。クルクルとステージ上を回りながら、転びながら、ジャンプしながら。あの日のキヨシローのように見えたんだ。みんなに見られているけど、誰もいない、独りぼっちの空間で孤独のステップを踏んでいた。 今週の天気予報は、「週末の土日は、残念ながら雨模様です・・・」となっていた。事実、前日までは雨が降り、久しぶりの「当たる天気予報か?」の様相を呈していた。しかし、やはりハズレる天気予報。目覚めてみれば、雲ひとつない青い空。なんて素晴らしいお天気なんだろう!さて、今日はお出かけなのである。近頃ダンスに目覚めた、10才の天才画伯のオススメで、倉敷までダンスの公演を見に行くのだ。演ずるは、 NHK教育「からだであそぼ」の中のコーナー。「こんどうさんちのたいそう」でお馴染みの近藤良平である。 一般席4,000円のチケットを、ある特殊ルートを使って3,600円で入手した。会場になっている「倉敷市芸文館アイシアター」は初めてだ。「意外に狭いのよ」なんて聞いていたが、なんのなんの。逆にその狭さ故に、ダンサーの息遣いや迸る汗、飛んでくる小道具を直に体感することができたのだ。ダンスを楽しむには丁度いいスペースだったよ。なにしろ、座った場所は一番前。視線の先には、ステージがドッバーッッと広がっているだけなのだ。こんな超特等席につかせてくれた天才母子さん、ホントにありがとね!今回の出演は近藤良平と黒田育世。ゲストに藤田善宏。そして、地元倉敷のメンバーを中心に結成されたダンスユニット「チームくらくら」。演奏に松本じろ。果たして、4,000円・・・いや、3,600円では安すぎる、とってもエスプレッソな内容だった。↑てか、値段で換算なんかするのが失礼なんだが・・・。まず、オープニングは近藤が客席をほぐす。どこか、「・・・・・(笑)」的な、妙にゆったりした間(ま)の小ネタを数点。なんとなく客席のリラックスした雰囲気がホールを包みはじめると、今回のテーマ「アソブ」を演じはじめる。どこか機械的な動きのリフレイン。かと思えば、赤ん坊になって這い這い。ステージ上をグルグル走り回る。持ちうるエネルギーを全て使って、ちから一杯「アソブ」。途中から黒田が交わってくる。彼女は薄いワンピース(キャミソール?)一枚で踊る。服から飛び出した、鍛え抜かれた腕、足、首は、その運動能力の高さを無言の内に語り尽くす。休む事なく激しく踊り続ける姿を見ているだけで、コチラが息苦しくなってしまうほどだ。公演後ロビーで見かけた彼女は、どこにでもいるフツーの女性のようなのに。ギター伴奏の松本は絶品。なんだかわかんないけど、ファンになっちゃいました。マイクを付けたアコギから流れるサウンドは、タンゴなんだか、フラメンコなんだか。マンボかルンバか、クラシックか?とにかく情熱一杯のギターだ。チームくらくら。前知識はおろか、後知識もないが、彼らも絶品!総勢20名前後だろうか。男は3人。客席に友人知人が多数見に来ているようだが、傍目にはちょっと恥ずかしいダンスも、笑顔一杯ホンキで踊っている。みんな、普段の仕事で着ているユニホームが今日の衣裳だ。左官さん、インターンさん。ペンキ屋さん、客席乗務員さんにサラリーマンさん。一番前で見ていると、彼らの顔から、体から物凄い汗が吹き出しているのがわかる。ちから一杯、胸一杯。持てる限りの情熱で踊ってた。なんだか、ちょっと感動しちゃいました。 スポットライトは、どこかのスターのもの。と、誰かが昔、歌ってたけど、どこかのスターってのは、あなたかもしれないよ。情熱を忘れないで、情熱を捨てないで。毎日を闘い抜こうよ。 今日の小道具。レコードプレイヤー。ランプ。踊り疲れた近藤良平(赤いヤツ)。P.S.きなこ姉さん、お身体の具合はいかがですか。早く元気になってください。また、遊びましょう。チケットありがとうございました(^-^)