ヴェルバニアのあるマッジョーレ湖は、湖畔をずっと行けば再びスイスに入り、スイスのイタリア語圏のリゾート地、ロカルノやルガーノへ行き着ける。
ヴェルバニアの湖畔にて。
が、
勿論今日はそんなところまで行ったら家に帰れなくなるので、ヴェルバニア湖畔公園で子供を遊ばせ、
「ここからミラノが近いよ。ミラノでスパゲッティ食べて・・・」
とか言い出す旦那を叩きのめし、少々その辺を散策しさっさと帰る事にした。
ちなみにマッジョーレ湖は、遊覧船が走っていて、湖の中のほうの小島へ行ったり、湖畔の他の町を周遊したりするのが人気のよう。
勿論我々は乗る時間などないが・・・。
しかし、帰り道に大きなショッピングセンターがあったので、そこでイタリア食材の買い込みは外せない。
レモンチェッロ、イタリアのデザートワイン、生ジェノベーゼペースト(やっぱ生は違う!この生ペーストを食し、ジェノバペーストに対する認識が変わった!)、カニ入り生ラビオリ、チーズ・・・。
おいしそうなものが色々買えたのでヴェルバニア、よしとするか(二度と来ないと思うけど)。
緑色の袋のスパゲッティ、コシがあってとっても美味しかったです
時間も午後7時になってしまったが、旦那&子供らが、
「夕飯にどうしてもイタリアのパスタ」
というので、その辺の店を探して入るも、頼んだ品がパスタとピザだけなのにも関わらず、全然料理が出てこない(^^;)。
スイスも料理が出てくるのは早いとはいえないが、フランス、スイスと比べても、イタリア(特に田舎)は料理が出てくるのが凄く遅い気がする。
ベネチアでは最初の料理が出てくるまで1時間も待ったことあるし・・・。
イタリアにしては味もイマイチだったこの店のおかげで、帰りの9時5分発の車電車にはギリギリ間に合わず。
次の電車は1時間半後。
仕方ないのでシンプロン峠を車で越えることにした。
カーナビのトムは山越えは30分かからないと言っているが、どんな道でも80キロでカッ飛ばすという前提の計算なので、勿論そんな短時間で越えられはしないだろうが、1時間半はかかるまい。
子供らは既に爆睡。
スイス方面に向って走り、しばらく行くと国境があり、無事スイスへ帰国。
帰国するも、峠はスイスにあるので、車はまだどんどん山を登る。
ちなみにシンプロン峠はナポレオンがアルプス越えのために1800年~1805年に整備した峠で、その時に大砲も運べる広さにしたらしい。
今では更に道は整備されていて、傾斜もさほどきつくなく走りやすい。
楽勝じゃん!
と、すっかり安心していたが、道の両側に雪が現れはじめ、雲行きも怪しくなってきた。
登るにしたがって雲が濃くなり風景が見えにくくなってくる。
しかし、この標高2000m近い峠付近にも、村があるのは驚き。雲の向こうにぼんやり何十もの窓の明かりが見える(シンプロンドルフ村らしい)。
やがて文字通り、山道は雲の中へ突入した。
周りは白い世界となり、何も見えなくなった。
あまりにも雲が濃いので、道も見えない。視界は5mくらいか?
手がかりは、車のすぐ斜め前に見える道路の白線だけ。
時速15キロくらいでハザードをつけ、その白線を頼りに走るしかない。
といっても、峠越えをはじめて時間がたっているのにまだ対向車は1台も来ない。
国境越えでは後ろに車がいたはずなのに、いつの間にか消えてるし・・・。
昼間で晴れてたら綺麗だろうな~。
とか最初は思っていたけれど、一向に雲から出られない。
1人で運転してたら怖いだろうな~。はっと気付くと、バックミラーに知らない人の顔が・・・っていうの、こういう道だぞ。多分(^^;)。
う~む。
旦那につまらん事を聞いてみたくなる。
「ねえ、今ここで、誰か道端に立ってヒッチハイクしてたらどうする?」
「絶対乗せない!!そいつ、足ないやろ・・・。」
(おぬし、同じことを考えていたな・・・(^^;))
いつになったら峠を越えるのか?こんななら駅で1時間半待ってた方が良かったんじゃないか?とか、色々考えてると、峠の茶屋らしき影(道路わきで電気がついていたのでぼんやり姿が見える)がある。ここが峠のてっぺんかしらん?
そう思っていると何となく道路は下りになった。雲も薄くなってきて一安心。
しかしおかげでブリークまで1時間近くかかってしまった。
むむむ・・・既に10時半じゃん。
ここから更に家まで2時間半か・・・。
結局家にたどり着いたのは午前1時(^^;)。
所で、今日は何をしに出かけたんだっけ?
思わず問わずにはいられない・・・。
なんだかよくわからないトレッキングデビューであった。
いや、デビューしてないし・・・・。