genki’s room

2011/01/24(月)00:23

口だけは

マイペース(23)

1月4日   12月28日退院した夜の母はおむつでした。それからまだ6日しか経っていないのに、一人でポータブルトイレに座れるようになっていました。ベッドの左側にトイレ、右側は襖。襖のこちら側にテーブルを寄せ、襖を開けると食事ができるようにしました。なんの支えもなしに座っていられるのです。正面がテレビです。  食事のあと、文字の出る番組がいいだろうと、「世界の悪女」というドキュメントを点けていました。「今日は『オニバカリ』と違うか?」 「知らん」  チャンネルを変えました。「メタボ予防」が出ました。下に文字が出ているので、暫くそのままにしていました。 「歌、あるのと違う?」  NHKにすると、森シンイチが映りました。 「こんな番組がほっとするわ」 「聞こえてる?」 「聞こえてるよ」  どれぐらい聞こえるのでしょうか? 歌だからかすかに聞こえているだけでいいのでしょうか? 別の番組ばかり見ていたので、すぐに終わってしまいました。 「もう寝るわ。あんた、好きなん見ィ」  母は一人で横になりました。肩のところに薄いひざ掛けを置いてあげて、私は自分の布団を敷きに北の部屋へ行きました。29日に私が使っていた羽根布団はUくんが使っているらしいので、別のを出しました。敷布団は同じのを敷いて、電気毛布を敷き、敷布を変えました。母が呼んでいます。 「なに?」そばへ行って聞きました。 「布団、わかる?」 「わかる。こないだ泊ったから」  布団を敷き終わって、枕代わりにバスタオルを丸めてキルティングの端切れでくるみました。「かりんさん・・・」また呼んでいます。 「なに?」 「毛布、こっちの押し入れにもあるよ」 「もう敷いた」 「あっちの部屋は寒いから、寒うないようにしいや。こっちに電気あんかもあるよ」  「電気毛布敷いた」  よくあれこれと気が回ることです。   11時に母の部屋とリビングの間の襖を30センチほど残して閉め、布団に入って持って行った本を読みました。夜中2度、寝ている母を覗いて見ましたが、よく眠っていました。どこも具合の悪いところはないのでしょう。  朝、6時40分に起きた時も、母はまだ寝ていました。夜更かし朝寝坊の習慣は、100になっても変わらないのです。私の習慣も同じで、7時に玉子掛けの朝ごはんを食べました。  9時少し前に、母は目を覚ましました。 「今日は朝9時に、別のセンターから来てくれはるねん」  9時丁度に、暮れにお目見得に来たヘルパーの竹〇さんが「おはようございます」と入って来ました。「お変わりありませんか?」 「おはようございます。早ようから済みませんねえ」 「おむつ、換えましょか?」 「いいえ。濡れてません」 「朝ごはんにしましょか?」 「先に、トイレの始末お願いします」  よく聞こえているようです。竹〇さんはおまるを始末して、手早くトイレの拭き掃除もしました。 「朝は、ご飯ですか?」 「食パン焼いてください。牛乳は温めて、冷蔵庫からジャム出してください」  竹〇さんは、パンを焦がさないように焼き、牛乳は少し温めました。 「パン、もうちょっと焼いて。こんがり。牛乳も、もっと熱うして下さい」 「はい。焦がした方がいいんですか」  竹〇さんはすぐにやり直しました。私が「いろいろ注文ありますねん。済みませんねえ」と言っておきました。 -----続く----

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