事件評論・・・・ 黄昏探偵のボヤキ事件簿！！

　一日から、民間企業が路上駐車違反の車両を取り締まるようになった。

　官から民への移管である。

　違法駐車の取り締まりに当たっていた交通警察官を事件捜査に振り向ける

というのである。

　果たして、予想通りうまくいくだろうか。

　サラリーマンが給料が上がったら、少し貯金できて楽ができるかな、と思い

実際に給料が上がっても、暮らし向きは変わらなかったのと同じではないかな。

　朝日新聞によると、この民間企業に警察官が天下っているという。

　以前、談合・天下り・汚職は減らない、なくならないといったが、まさにその

通りになっているようだ。

　黄昏探偵Ｘ氏はよく警察署や警察本部を訪れる。情報収集をかねているのだ。

　面白いのは、警察官の事務机の前にはＰＣがある。

　この画面に張り付いた姿をみたとき、これでほんとうに犯罪が防止され、犯罪

者が検挙されるのだろうかと、思いたくなる。

　客がめったに来ない黄昏探偵事務所には、四台のＰＣがあるが、ふるに活用し

ても客を呼び込んではくれない。

　警察は、防犯警察部門も放棄している。

　町のボランティアの人々が警察に代わって防犯運動をし、警察はそれを歓迎し

ている。

　交通と防犯の一部を放棄した警察は、その部分の予算を減額しなければなるまい。

　警察も、社会保険庁の職員も公務員である。緊張感に欠け、どっぷりとぬるま湯

に浸かっている。

　駐車違反取締の企業と警察の悪い面での癒着がいつかは起きるのではないか、と

Ｘ氏は懸念を抱く。

　さてさて、情報収集で立ち寄った某会社で、若社長の自宅に忍師（真夜中の侵入

ドロボー）が侵入した。

　契約した警備会社に連絡したが、４０分くらい経って到着したという。

　１１０番することを忘れていたらしい。

　若社長いわく、通報受けたらすぐ現場に警備員が駆けつけますと・・・・。

　こんなもんだ。即応体制は・・・・。

　昔、交番と本署の中間にある会社が深夜ドロボーに入られた。三回目だったらしい。

　三回とも現場に駆けつけるが、逃げられた後だった。

　そこで、Ｘ氏の親友のＭ警部補が警備会社に「警報を受け、警備員が現場を確認

した後、警察に通報しても逃げた後で捕まらないよ。警報受けたら、ただちに警察

に通報しなさい。捕まる確立は高い」と警備会社を説得したらしい。

　それから一週間後の通報即警察通報、犯人は警察官の到着が早すぎて逃げられず

逮捕された、という。

　現在、ＡＴＭ盗難通報等、警備がキャッチした時点で警察が動けば捕まる率は高い。

　ただし、地方の警察や交番では即対応できる体制でいるわけではないから無理だろ

う。

　通報を受けて準備出動するまでには現場に向かう警察官の迅速な行動、車の手配等

を計算すると、５分は軽く越える。夜中パトロールする警察官やパトカーを見ない。

　ＡＴＭなどでは、共犯者が分散して警察の動きを把握されていたら、まず検挙はな

いだろう。

　Ｘ氏の住んでいる警察署は宿直員だってわずかだ。交番なんて、夜などいやしない。

昼間もいないのだから当然だろう。

　警察が頼りにならないから、その分仕事が来れば良いがそんなに現実は甘くない。

しかし、夫や妻の不倫調査は多い。

　年金を分けることができるようになった法改正だから、多いのだろうか。

　不倫調査が一番金になるのだが、Ｘ氏は不倫調査はしない。外注である。

　不倫が確認されて、丸く収まったケースもあるが、離婚騒動や離婚訴訟まで発展

かわいそうなのは、子供たちである。

　時々は、不倫に関係なく離婚相談に来る夫婦もある。お互いいいたいことが沢山

あって、お互いが整理できないでいる。

　そんなとき、Ｘ氏は別れなさい、と離婚届けを差し出す。

　夫婦で罵り合っているから、第三者的悪口をいうと、二人でＸ氏を攻め始める。

　金は一銭もならずに帰っていく。

　馬鹿を地でいくＸ氏だが、天下泰平のごとく、濃い目のコーヒーマンでリンを

ゆっくり飲みながら、新聞を切りはじめる。

　忙しい探偵事務所もあるのに、神様は不公平だといいたくなる。

　まあ、明日がある、明日は山登りだ。