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幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

フェンス越しの恋

1
乾いた心を駆け抜ける風
潤んだ瞳に流れる涙
青い空の広がる屋上
私は一人ただ立ち尽くす

フェンス越しに見える君が
とても遠くて届かない
手を伸ばしてもフェンスが邪魔で
飛んで行くにも翼がなくて

こんな私に何ができるの
叫び泣いても変わらない
いつも君の背中を見ては
寒い空へとためいきひとつ
白く浮かび優しく消えた

2
冷たい風が赤い頬をなでる
暖かい涙が頬を流れる
赤い太陽沈む夕暮れ
今日も一人屋上に立つ

夕暮れの中を歩く君が
とても眩しく感じられて
空に光る星より強く
満ちる月よりきれいに見えて

もう私は何もできない
すべてをあきらめ泣き明かす
いつも君の笑顔を見ては
紅い空へとため息ひとつ
暖かい日に優しく消えた

フェンスを越えて手を伸ばせ
私の背には翼があるさ
空を飛んで君の元へ
近づけたらいいのにな・・・


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