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幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

命の力~妖怪との出会い~4

家から徒歩4分ほどでつくという近い場所に雄大のアパートがある

「あのおっきいのが大学か?」と夢中で聞いてくる 「ああ、そうだよ」 と言うと隣で「大学すげぇ~」と呟いていた

「授業中もずっと俺の隣にいるのか?」 「隣にいて良いのならずっといるが?」 「まぁほうっておいたらどこ良くかわからないから隣にいてよ」 「はいよ」

校門をくぐり、教室へ行くともうすでにたくさん生徒がいた

「よう、雄大」と挨拶をしてきたのは竜彦(たつひこ)だった

「よう、竜彦。今日って小テストの日だっけ?」 「ああ、確かそうだったな。勉強したか?」 「俺がすると思うか?」 「俺と同じだな」と笑って答える

(仲がよさそうだな) (そりゃそうさ。中学校から同じなんだ) (へぇ~)と心の中で会話する

彼は野球部に所属している。なかなかの腕前で3年生で6番を担当していた

「俺、文系苦手なんだよなぁ」と雄大 「俺も文系だけは無理なんだよなぁ」と竜彦

「「はぁ…」」と二人同じにため息をつくと、教室に先生が入ってきたため席に戻った

数学の時間になる。複雑な数式が並んでいて少し戸惑う雄大。有名な大学の問題をやっているのだがさっぱりだった

(なんだこりゃ…さっぱりだぜ) (ん?どれがだ?)と言い、問題用紙を見た ベルヌーイのレムニスケート作図法か…大変だな) (は?) 全くわけのわからない単語が出てきた

(なんだよそれ) (しかたない、教えてやろう)と言うと雄大の隣に立って説明し始めた

(なるほど…ってかこんな難しい問題よく出来るなぁ、お前も有名大学生も) (こんなもん朝飯前だ)と得意げに言う

隣では竜彦がわかんねぇと唸っていた すまんな竜彦 俺には最強の助っ人がいるんだぜと心の中で言った

昼食の時間になり、食堂へ向かうとサークルのメンバーが手招きをしていたのでそちらへ向かった

「こんにちはぁ~」と声をかけてきたのは流星で最近入ったやつだ。同じ学年でなぜ今ごろ入ったのかは不明

「こんにちは、雄大君」と言うのは咲夜で、まじめで美人で学校でも人気の女子生徒だ

「おう、遅かったな」と言ったのが竜彦で、「こんにちはぁ」と言うのが愛だった

「どうもみなさんおそろいで」と笑って答えた

「じゃんけんで負けたやつがおごりな」と竜彦が言う 「おいおい、今月ピンチだぜ」 「え~またぁ~」 「絶対負けそうだなぁ…」 など、いろんな声があったがとりあえずじゃんけん

「さいしょはグー、じゃんけんポン!!」 するときれいにチョキ一人、グー4人で決まった

もちろん負けたのは竜彦 「けっ、言ったやつが負けるなんて情けねぇ…」言いながらしょぼしょぼと買いに行った

「あいつよえぇな」と腹を押さえ体をくの字にして笑った 「いったやつが負けるとかなさけねぇなぁ」と流星も涙目になるほど笑っていた

女子の二人もくすくす笑っている

「はいよ…今度からは絶対じゃんけんで決めようなんて言わないようにするぜ…」と言いみんなの前に昼食を置いた

「ゴチになりま~す」と笑いながらみんな食べた

昼休みも終わり、午後の授業も残すところは後ひとつ 小テストのみだった

「何点取れるか勝負しようぜ、雄大」 「望むところだぜ竜彦!」漫画などだったら絶対に火花が出るような感じでにらみ合っていた

テスト開始のチャイムが鳴り響いた 今回のテストは漢字だった

(何だこの字…瀟洒…わかんねぇ…!!)髪の毛を掻く (しょうしゃだ)と助け舟を出した (お前は黙っとけ!!)と心の中で怒鳴ると(うむ)と言うので続けた

(天蓋…てんふた?なんだこりゃ…) (てんがい) (お前は黙っとけって言ってるだろ!!) (黙っているつもりなのだがどうも答えてしまうんだよなぁ)とにやけている

(鰈…カレイだったっけ?)と銀狼に聞くが何にも答えない (なぁ、あってるのか?これ) (都合の言いやつだなお前は…) (すまんかった…合ってるのか?) (あってるよ)と答えた

そんなこんなで時間は経ち、チャイムが鳴り響き点数をつけ…見せ合う!!

「どうだ!!」 「おら!!」 自分の点数と相手の点数を見合う そして…

「勝ったぞおおおおおおおおおお!!」と勝利の雄たけびを上げるのはもちろん雄大

まぁ銀狼の助けもあったからなおさら点数がよくなった

「82点だと…バカな…こいつがこんな点数取れるはずがねぇんだあああああああ!!」と喘ぐ

「見苦しいぜ竜彦」 「くそっ…次は絶対に負けないからな」 と言い残し何処かへ行ってしまった

(可哀想だなぁ、おい!)と腹を抱えて笑っている (まぁな。でもああいう馬鹿にはぴったりだぜ)と雄大も笑っていた

そうして大学も終わり、大学を後にした


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