桜の姫君8日というのはあっという間に過ぎていくまるで風のように日々は移り変わり、辺りの風景も変えていった 幽々子の桜も四季に応じて姿を変えていったのだった 「幽霊とかになると年とかどうでも良くなってくるから今何年かもわからないのよねぇ」と幽々子がいった 「まぁねぇ…年取らないし…とりあえず4,5年位は経ったんじゃない?」 「いつ頃からよ」 「あなたがそのペンダントもらってから」と魅魔が言うと少し顔が紅くなった 「あ、そうだ。あの恵美って子時々くるの?」と魅魔が聞く 「あ~…まぁ相談とかしに来るわね。私のことを不思議に思わないっていうのが不思議よね」 「確かに…。とりあえず元気なの?あの子」 「ええ、小さいときと全く変わってないわよ」と手をひらひらさせた 「うわさをすればなんとやら…よ?」と魅魔が言うと遠くから恵美の姿が見える 「あら、恵美ちゃん。大きくなったわねぇ」と魅魔が言うと初めて会う恵美は「はじめまして」と不思議そうな顔で言った 「今何年生だっけ?恵美ちゃんって」と幽々子が聞くと「中学3年生で今年受験なんです」と言った 「あら、受験なの?どこの高校へ行くの?」 「近くある桜高校です」と言った 「私と同じ高校ね。いいわよ、あそこの高校は」 「幽々子さんも桜高校だったんですか。へぇ~」 「楽しい高校生活が送れると良いわねぇ」 「はい!頑張ります」 「そういえば、今日は何でここに来たの?」 「あ、これを渡したくて…」というと銀の指輪のアクセサリーを出した 「これ、幽々子さんに似合うと思って…あげます」といって幽々子の手に触れようとした が… 「あ…れ?」 今幽々子の手に触れ、手のひらにのせようとしたが手に触れることができなかった 「なん…で?」 「もう隠せないわねぇ・・・」 「え?何をですか?」と不思議そうに聞いてくる 「小さいときにあなたのお母さんは私を見えなかったでしょ?」 「あ…はい。憶えてます」 「あれはあなたが霊を見える体質だから見えたの。でもお母さんにはそんな体質無いから見えなかったの」 「え?…ってことは?」 「私は幽霊よ」と幽々子はきっぱり言った 恵美はそんなことを言われて戸惑った表情を見せたが次第に笑顔に戻った 「そうだったんですか。でも私、幽霊だろうとなんだろう幽々子姉さんを友達だと思ってますから」といった 「あらあら…私のこと友達って言ってくれるの?嬉しいわ。あ、その指輪、もらうわね」というとひょいと指輪を取り、指にはめた 「似合うかしら?」 「綺麗ですよ」 「ありがとね」と微笑みながら言った (ほんと・・・姉妹みたいね)と魅魔は心の中で思った 「じゃぁ私もう帰りますね。さようなら、幽々子さん、で、え~っと…」 「魅魔よ」 「魅魔さん、さようなら」 「バイバイ」と手を振ると笑顔で帰っていった 「合格すると良いわね~高校」 「そうね」と短く魅魔は返事すると昼寝をするから帰るといって消えてしまった 「合格の報告が来るまでしばらく何してましょうかねぇ・・・」と木によしかかった しかし何も思い浮かぶことが無く、眠ることにした それからまた月日が流れるように過ぎ去った 幽々子の頭の中から高校合格の文字が消えかかっていた頃だった 「幽々子姉さ~ん」といって元気に走ってくる 「あら、その表情からして合格したのね?」 「わかります?合格できて本当によかったです!」 「あとはしっかり学力つけて、立派な大人になるのよ?」 「はい!頑張ります」というと笑顔で帰っていった 「あの子の幸せのために…少しプレゼントね」と言うと一片の蝶を浮かべると恵美を追いかけて飛んでいった 「恋のできるおまじないってやつね」というと幽々子は笑みを浮かべた |