井上陽水「いつのまにか少女は」(1973年)
【追記】No.1さっき加藤登紀子さんのライブアルバムを聴いたのですが、その中で「子供産んだからといって大人になるわけじゃないし」と言ってました。ね、いくつになっても少女の方も、少年の方もいるわけです。外見はともかくさ。僕が一番好きな陽水さんの曲は「桜三月散歩道」です。と、以前書いたことがありますね。井上陽水「桜三月散歩道」(1973年)長谷邦夫さんの描く狂気がたまらなく好きなんです。二番目に好きな曲もすぐに言うことができます。こんなふうにパッとベスト1、ベスト2を挙げられる人は他にいません。「いつのまにか少女は」(1973年) ♪ 君は どこで生まれたの ♪ 育って きたのここがとても好きなんです。出会った少女のことをとても知りたいなと思う、あの感じ。君のことがとても知りたいんだ。言えなかったよね、そんなこと。ところが、とても好きな歌詞のすぐ後に、ツッコミいれたくなる言葉が出てきてしまうんです。 ♪ 君は静かに 音もたてずに ♪ 大人に なった「静かに」はまあいいんですが、「音もたてずに」はどうなんでしょう。ガラガラ ガッシャーン!とかむにゅむにゅ むりむり~音たてたら、変でしょ。好きな曲でこれだけ変だと思うのは、他にはありません。単にツッコミ入れたくなる曲は、めちゃくちゃたくさんあるのですが、一つだけ。五輪真弓さんの「恋人よ」(1980年)。 ♪ 砂利道を 駆け足で ♪ マラソン人が行き過ぎる「マラソン人(びと)」です。「マラソン」に、やまとことばの「ひと」がくっついている。う~ん、すごい、すごすぎる。でも、「マラソン人(じん)」と読んだらもっとすごいな。元々地名が競技名になっているので、彼の国の人を指しているようでもあります。ん?本当は「ジョギング人」ではなかろうか。これが松任谷由実さん、ユーミンの「春よ、来い」(1994年)だと、文語と口語の混ざり具合のめちゃくちゃさが、私はもうダメです。気持ち悪い。中島みゆきさんだったら、絶対こんな言葉遣いはしないでしょう。ブレイク後のユーミンは、この言葉のゆるさ加減が、まさに良くも悪くもニューミュージックなのだと思います。陽水さんの「いつのまにか少女は」は、1973年に出たライブ盤『陽水ライヴ もどり道』で繰り返して聴きました。とても好きなアルバムです。その前年、高校1年の時にRCサクセションと一緒にのんびり市でやったライブを観に行ったのです。このアルバムとよく似た雰囲気のコンサートでした。「あかずの踏み切り」は『氷の世界』に入っているものと、メロディが違います。『もどり道』は陽水さんの作曲、『氷の世界』は星勝さんの作曲だったと思います。私はアコースティックな『もどり道』バージョンの方が好きです。『陽水ライヴ もどり道』(1973年)1. 夏まつり2. いつのまにか少女は3. 紙飛行機4. あかずの踏み切り5. たいくつ6. 人生が二度あれは7. 帰郷(危篤電報を受け取って)8. 感謝知らずの女9. 愛は君10. 東へ西へ11. 家へお帰り12. 傘がない13. 星(終りのテーマ)14. 夢の中へ