モンキー・ビジネス CHRONICLES #352
ディランは電話に出てくる両親のことを回想します。父親は現実的な考え方をする人で、息子をエンジニアにしたいと思っていました。-----------------------------------------------"Remenber, Robert, in life anything can happen. Even if you don't have all the things you want, be grateful for the things you don't have that you don't want. "「覚えておきなさい、ロバート、人生では何が起きてもおかしくない。たとえ自分が望むものをすべて手に入れられなくても、望んでいないものまで持たされてはいないということを感謝しなさい。」-----------------------------------------------暗号のような助言だとディランは言っています。父親というものは、ここぞという時に息子に人生を語りたくなるものなんでしょうか。先日、落ちる者の方が多い、ある高校の前期入学試験合格発表の近くを通りかかりました。道の傍らに親子が一組いました。制服姿で泣いている男の子に、作業服姿のお父さんが何やら力説していました。「人生は勝負だ!」少年は泣きながらうなずいています。うまい時を選んだものですね、お父さん。-----------------------------------------------But in school, I had to struggle to get even decent grades. I was not a natural student. My mom, bless her, who had always stoop up for me and was firmly on my side in just about anything and everything, was more concerned about "a lot of monkey business out there in the world," and would add, "Bobby, don't forget you have realatives in New Jersey." I'd already been to Jersy but not to visit relatives.でも僕は学校では人並みの成績を取るのでさえも苦労しなければならなかった。学業の才はなかったのだ。ありがたいことに、母さんはいつでも僕の支えになってくれたし、なんでもかんでもしっかり僕の味方をしてくれたが、「世の中に出るとインチキが多い」ことを心配しては、こう言ったものだ。「ボビー、ニュージャージーに親戚がいることを忘れないでね。」僕は既にジャージーに出かけていたのだが、それは親戚の家を訪れるためではなかった。-----------------------------------------------ああ、いいですね。ボブ・ディランはごくあたりまえの家庭で育ち、普通に両親の愛を受けて育った少年だったのです。三十年前、出張だと言って私の下宿に立ち寄った、亡き親父様の心配そうな顔を思い出しました。父さん、ありがとう。世の中には本当にインチキなやつらが多いのだと知ったのは、それから何年も経ってからです。今モンキー・ビジネスと聞くと、「銀行」「IT」といった言葉が頭の中を飛び交います。