000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【ログイン】

幻泉館日録@楽天

PR

Calendar

Rakuten Profile

設定されていません

Freepage List

Archives

Comments

幻泉館 主人@ Re[1]:受取拒絶(07/23) chappi-chappiさん、こんにちぽんぽこ♪ …
chappi-chappi@ Re:受取拒絶(07/23) こんばんまんげつぽん♪ アベ・イナダの顔…
chappi-chappi@ Re:いのち 大塚まさじ #2(07/18) こんばん鼻で歌う♪ まさじさん、ちょっと…
幻泉館 主人@ Re[3]:路地の子 #2(07/20) 空気頭さん、こんばんは♪ おお、へそ下三…
空気頭@ Re[2]:路地の子 #2(07/20) 幻泉館 主人さんへ 時期ははっきりしませ…

Category

Favorite Blog

『紅蓮亭の狂女』1 New! Mドングリさん

「眩(くらら)~北… New! まいか。さん

ずんだシェイク 夏見還さん

「ヤキトリ魔人」 穴沢ジョージさん

アリシア平和ライブ… うるとびーずさん

じゆう宅考 マンガ… シェフ・オオシマさん

梅仕事無事に終了です Dr.悠々さん

でろれん日乗 でろりさん
夜間飛行へ・・・ 夜間飛行さん
remi's room remi10さん

Recent Posts

2003.10.31
XML
カテゴリ:書籍と雑誌
avex/amazonのURC音源復刻盤は岡林信康の曲をすべて削除した形だったので聴く気をなくし、積んだままになっている。
岡林本人がURCから版権を取得し、収録を拒否したようである。
それはそれで一つの見識だが、avex/amazonはもっとちゃんとした説明をすべきである。

10月5日付日録に書いたように当時の音源は苦労してかなり揃えたのであるが、私が死蔵していてもしかたがない。
出してくれよ、岡林さん。

私は少し遅れてきた少年だったので、岡林信康を聴いたのはレコードだけ。
既に「はっぴいえんど」をバックに従えてからだ。

「はっぴいえんど史観」から見れば岡林はロックの乗りじゃないどうでもいい歌手なのだが、そりゃ当たり前だ。
エンヤトットなるものを「発見」し、美空ひばりに共感する岡林は元々ロックなんて歌ってないんだから。

ギター1本でAmをかきならして歌う姿は、場末の流しみたいに見えるだろう。
「山谷ブルース」(1969年)など、演歌にしか聞こえないんだろう。

 ♪ きょうの~ 仕事はつらかった
 ♪ あとは~ 焼酎を あおるだけ

「働く俺達の世の中が きっときっと来るさそのうちに」などという最後の部分は、何を言っているのかわからないかもしれない。

きつくて危険で汚い労働現場からは徐々に日本人の姿が減っている。
わざわざイラン人やパキスタン人に連帯したいなどと、あんたは思っていないんだろう。
大新聞社が出している雑誌の広告の地口よろしく、「イランに核は要らん」などとはしゃいでみせるぐらいの認識だ。
周辺部を作り出したからこそ、日本は繁栄していられる。
自分の繁栄を守るためにはそれが正しい態度だろうし、ブッシュに尻尾も振ってみせる。
ずいぶんいやらしい書き方になってしまったので、この辺でやめておこう。

「山谷ブルース」「手紙」「チューリップのアップリケ」。
暗い歌である。
吉田拓郎さんのドキュメンタリーには「タムジン」こと田村仁さんが出てきて映像を撮っていた。
あの番組はタムジンさんが準主役だったのだ。
まだ拓郎さんがオールナイト・ニッポンをやっていた時(パックかもしれない)「手紙」のことを、「タムジンがギター弾いて泣きながら歌う歌だ」と言っていた。

初期の岡林、暗い歌が多いのである。
差別に対する憎しみと悲しみがナマの形であふれ出た歌だから。
ところが、この歌を歌っていたころの岡林さんは、不思議に明るいのだ。
皇室一家をおちょくった「ヘライデ」や権威・権力に対する反発「くそくらえ節」「がいこつの唄」、屈託なく明るい。
映画『無法松の一生』(1943年)で坂東妻三郎が見せる、日本の庶民の笑顔。
あれを思い出す。
「友よ」をなんのてらいもなく歌えた時代を私は知らない。

今私は楽天広場で「懐かし屋」さんみたいになってしまっているが、本当は懐古趣味でこんなことばかり書き始めたのではない。
一つのきっかけは、『一九七二』という本にある。
以下、本館日録2003年6月4日付日録から自家引用。



日曜日の毎日新聞書評欄に出ていた『一九七二』がおもしろそうだったので、購入。
まだ読み始めたばかりだが、確かに面白い。

一九七二
『一九七二』
坪内祐三著
文藝春秋社
定価:本体1800円+悪税
四六判上製 本文413p
2003年4月25日発行

著者の坪内祐三さんは私と同世代。
1972年には中学1年生から中学2年生、私は中学3年生から高校1年生という年齢である。
このぐらいの年齢の時には、ほんの少しの年齢差がかなり大きく感じられるものだ。
一つ一つの事件に関してはだいぶ感じ方が違かったことだろうが、後付けの知恵で語る時はやっぱり視点が近しい。

目次を辿ると、「日活ロマンポルノ」、野坂昭如の「四畳半襖の下張り」裁判、連合赤軍事件、『ヤマザキ、天皇を撃て』、ロックの時代の幕開け、『ぴあ』の創刊、田中角栄の登場、雑誌『世界』とまあ、ツボにはまりまくり。
わたしゃつくづくサブカルチャーのヒトなんだわなあ。

雑誌『諸君!』に連載されたものだそうだが、全然知りませんでした。
しょーもない雑誌だけど、中にはおもしろい記事があるのですね。

さて、少し読み進めて。
この著者は1972年が時代の転換点であるという認識の下に、1972年の文化現象を陳列して見せてくれている。
のだが、何か欠けていないか?
私がいいかげんな高校受験を過ごした年。
札幌オリンピック、連合赤軍事件……。
雑誌『終末から』は1973年か。
雑誌『ガロ』はどうだろう。
まったく触れてないかな。
ああ、音楽状況、「はっぴいえんど」「頭脳警察」「キャロル」には触れているが、やっぱり何か違う。
今『ロック画報』や『コレクターズ・マガジン』で学習する若者たちに似ているなあ。



読み終えての結論は、やっぱり違うというものだった。
竹内さんは時々自分の生活からのエピソードを書いているのだが、資料に頼った部分にはやはリアリティがない。
1972年が転換点であるということに異論はないが、「社会学的アプローチ」が正しいかというと疑問だ。
これが歴史になってしまうということなのか?
なんだか自分が生きていた事実が否定されたような気がした。
別に歴史に名を残そうなどとは思わないが、いなかったことにされるのはちょっと寂しい。

少なくとも連合赤軍関係は、この本を読んでわかったつもりになるよりも、彩流社などから出ている、当事者による記録を読むべきである。
それで、私も自分の生活の中でどうだったのか思い出そうとしているのである。



一回り前の午年の秋、私は二回山谷に行った。
仕事の本筋ではなかったが、「山谷の写真が要る」ということにして取材に行ったのだ。
初回は一人で、二度目は瀬戸山さんというカメラマンに写真を撮ってもらった。
この人もかなり怪人の部類に入る人で、「フォトジェニックな場所ですねえ」と喜んでいた。
翻訳すれば、「山谷ではいい写真がたくさん撮れますね」といったところか。
帰りには隅田川沿いの、いわゆる段ボール・ハウスの撮影をして、あの強烈な形の建物でビールを飲んだ。
実にのんきな取材であるが、それでも山谷にいる間は結構緊張したのであるよ。

どうしてそんな余計な作業を突っ込んだかというと、そんなに遠くない将来に山谷のルポをものしたかったからである。
果たせぬまま、あっという間に暦が一巡してしまった。
あらあら。

新潮OH!文庫『山谷ブルース』は、カリフォルニア大学アーバイン校教授エドワード・ファウラーさんによる、ちょうどそのころの山谷ルポである。
私の嫌いな社会学的分析ではない。
ガイジン・ファウラーさんが実際にドヤに寝泊まりして書いたルポである。
ただ、状況べったりの記述だけでは意味がない。
「状況と斬り結ぶ」客観的視線。
これが難しいんすね。
ファウラーさんの山谷ルポ、いい線だと思います。
カラオケで岡林信康の「山谷ブルース」と菅原洋一の「今日でお別れ」を歌う、そういう外国人学者さんです。

だいたい、「天皇」や「ヤクザ」の分析は外国人が書いたものの方がしっかりしている。
そういうものは日本人が客観的な分析をできる領域にないらしいのである。
以前は寄せ場も似たような領域にあった。
今は……山谷そのものがどうなってるんだろう?
私がちょろちょろっと歩いたのは猛烈な地上げの真っ最中。
ドヤもホテルへの立て替えが進行中だった。
ドヤがなくなる予感があった。
あれから13年も経っているのだ。

日雇い労働者は、景気が悪くなれば切り捨てられる「雇用の安全弁」という呼び方があった。
それは実に不遜な言い方だが、既に安全弁としては機能しなくなっているのかもしれない。
「Bum(浮浪者)はu(YOU)なしには語れない」のだそうな。
あんたもそうなるかもしれないよ。
そういう時代が近づいているのだろう。

ところで、私がウロウロしたのがなぜ午年だと覚えているのか。
この取材の本筋は、「建て替えのために木賃アパートから追い出される高齢者」だったのです。
追い立てを食うことになっていたおばあさんに、その年の暮れ、私は年賀状を出しました。
取材先へ年賀状を出したのは後にも先にもこの1枚だけ。
そのおばあさんが返事の葉書に羊の絵を描いてくれたので、年がわかるのです。
山谷ブルース
エドワード・ファウラー著
『山谷ブルース』
新潮OH!文庫
本文 398p
定価:¥733+悪税








幻泉館 リンク用バナー






Last updated  2004.11.04 02:46:10
コメント(22) | コメントを書く
[書籍と雑誌] カテゴリの最新記事

Copyright (c) 1997-2017 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.