2005/02/10(木)03:07
いしいひさいち『バイトくん』(1977年)
【さらに追記】
チョムスキー『9.11』日本語版のトンデモ誤訳について。
実は聖書学者田川建三さんのサイトに『9.11』の誤訳をまとめるというようなことが書いてあったので、それなら待てばいいやと思っていたのです。
http://www6.ocn.ne.jp/~tagawakn/index.html
ところが忙しい方なので、なかなか手が回らないようなんですね。
誤訳の指摘なんて作業は、実にばかばかしいことですし。
googleで検索してみると、さすがにこの本の誤訳は気になる人が多いようで、こんなサイトもありました。
http://plaza11.mbn.or.jp/~subarugaikokugo/inada.html
大学院入試対策のゼミをやってる方ですね。
こういうわけのわからん日本語が出てきたら、誤訳だそうです。
> 人材をひっぱる溜め池」
>「皇帝国家」
>「米国の夜の投下」
>「ぎりぎり必要な食糧のお預け期間」
>「この静かな皆殺しに、やさしくなってもらいたい」
>「同伴者の被害」
ね、やっぱり読む気がしなくなってきたでしょ?
翻訳には誤訳が付き物です。
私は極めて温厚な性格なので(ホントよ!)、普通はたかが誤訳ごときに腹を立てたりいたしません。
が、それにも限度があります。
特にチョムスキーの『9.11』は広く読まれるべき本だと思うので、実にヤバイ翻訳だと思います。
もしかして反戦平和勢力を嫌う文藝春秋社が、チョムスキーを貶めるためにわざとトンデモ訳の本を出版した……なんてね。
【追記】
どこかに消えてしまったと思っていたファイルを見つけた。
1997年の「幻泉館ホームページ」。
それももうダイジェストしか残ってないんですけどね。
当時は「書評ページ」だった!
あんまりなクソ本を買って、腹を立ててます。
「メイキング・オブ・ブレードランナー」という本です。
本来なら原著と突き合わせて誤訳のチェックをしたいところだったが、まだamazonが利用できなかったのだ。
本当は今、ノーム・チョムスキー『9.11』(Noam Chomsky "9-11")の翻訳があまりにひどいので、そのチェックをしたいところだ。
山崎淳さんという方の訳である。
ただ、時間が足りない。
誰かきちっと突き合わせてみてくれないだろうか。
[November 5, 1997]
「監訳者・品川四郎さん,この本はもう読みましたか?」
深夜の密室芸人タモリさんがフジテレビのお昼の番組の司会をすると聞いた時はびっくりした。
似た驚きを感じたのが、『バイトくん』の「いしいひさいち」さんが朝日新聞の4コマ漫画を担当すると聞いた時。
さすがにどちらも毒は薄まるわなあ。
阪神淡路大震災のときに「いしい被災地」と書いたり、オウムの「石井久子」と名前がよく似ていることをネタにしたり、これは表の芸ではありませんわね。
今の人に「いしいひさいち」が登場した時のインパクトはわからないかもしれません。
何かというと、それまでの4コマ漫画は、あまりおもしろくないものだったのです。
『サザエさん』とかあるじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、『サザエさん』には、意外にステロタイプの笑いが多いのです。
いわゆる月並み。
『がんばれ!! タブチくん!!』が「いしいひさいち」さん全国区ブレイクのきっかけです。
明らかに田淵幸一選手をモデルとしたマンガであんなふうにおちょっくていいのかしら。
ちょっと不安に思いながらも大いに笑わせてもらいました。
izumatsu君がアクションの増刊号かなんかを買っていたのを覚えています。
私はあれ、買いそびれたんですよ。
作品としては、『バイトくん』の方が好きでした。
関西のことはよくわからないんですが、関西大学在学中から「日刊アルバイト情報」に『Oh! バイトくん』を連載していて、それが単行本にまとめられたのがデビュー作。
「タブチくん」はその中に登場したキャラクターで、とても人気が出たので独立したマンガが始まったとか。
極端に誇張してあるのですが、バイト君の生活はなんだかとても近しいものでした。
私自身でんぷん体質で、なんとなく形がバイトくん。
何をやっても中途半端なあの仲間たちの中に自分もいるような気がしました。
バイトくんは永遠の四畳半に暮らす、永遠の大学生。
実は私もいい歳してまだそんな気分でいたりします。
ところで仲野荘に暮らす東淀川区貧民共闘の面々はうやけにリアリティがあるので、これは作者の学生時代がモデルなんだろうなと漠然と思っていました。
さきほど何気なくgoogleしてみて驚きました。
やっぱり実在していたアパートなんですね。
実際に大阪市東淀川区下新庄にあったというところがすごいです。
いしいひさいちFC“仲野荘”
【追記】
すごいサイトです。↑
「いしいひさいち」さんの顔がやっとわかりました。
お察しのよろしい方はお気づきと思いますが、「いしいひさいち」さんのマンガをひさしぶりに購入したのです。
新刊が出ると何も考えずに反射的に買ってしまう作家、その一人なんです。
だから時々amazonで「いしいひさいち」と検索します。
今日届いたのは
『眼前の敵』河出書房新社 新書判 680円+悪税
『いしいひさいち選集 37 蜜月マーヤの暴言』
双葉社 新書判 429円+悪税
『がんばれ!! タブチくん!! 阪神死闘篇』
双葉社 文庫判 571円+悪税
『大統領の陰謀』双葉社 文庫判 571円+悪税
下の2冊は双葉文庫の「ひさいち文庫」です。
「ひさいち文庫」とは、すごい文庫名ですな。
文庫だけあって、解説が付いてます。
『タブチくん』の方が有栖川有栖さん、『大統領』の方が呉智英さんです。
これはいいですね。
呉智英さんの解説では、「いしいひさいち」さんが『COM』に投稿していたとありますが、これは初耳です。
最初の2冊のはずなのに、「い 17-03」「い 17-04」なのはなぜ?
双葉文庫に入っているなにかが「い 17-01」「い 17-02」なんでしょうが、双葉文庫には『地底人の逆襲』『B型平次捕物帖』『ノンキャリウーマン (1)』『ノンキャリウーマン (2)』『新ノンキャリウーマン―ちょっとのんびり、三宅さん』と、確実に5冊以上は入っているのです。
なぜだ?
どれも持っているはずなのですが、埋もれていて確かめようがありません。
ところで、この三宅さんというのはバイトくんの彼女と同じキャラクターです。
双葉社の新書判は「ドーナッツブックス」。
これは長いですねえ。
もう終わったかと思ったら、忘れたころにまた出る。
全巻揃ってるはずなんだけど、これもまた確かめようがありません。
情けないっす。