2006/12/23(土)01:41
官僚の保身
労働契約の内容を就業規則で自由に変更できる労働契約法。
せっかく労働契約で当事者間で契約を結んでおきながら好き勝手に就業規則で内容を変更するのは契約自由の原則に反する。そもそも労働法という法領域は労働者保護を目的とする。しかるに労働契約法は労働者に対する配慮を全く欠いている。
つまり労働契約法は無意味に労働法秩序を乱す。というのは、私法の大原則である契約自由の原則の例外を成す労働法秩序だが、それは弱者である労働者保護という法益に意味があるから認めた例外なのだ。だから、同じ例外でも労働者に不利益をもたらす例外は認めるのは無意味な例外であり、いたずらに労働法秩序を乱すだけだ。
いったい官僚は何を考えているんだろう。ひとつ考えられるのは、自らの保身。
巨額の財政赤字を解消するには税収増しかなく、それには企業の業績向上による自然増がいちばん丸い。でないと公務員の賃金カットやボーナスカットは避けられないと踏んでいて、それらは自らの生活を考えるとなにがなんでも避けたい。
避けるためには多少強引で無責任でも民間の労働者にしわ寄せが行っても構わない。頭脳明晰で権力の近くにいる官僚たちがみんなして自己の保身を考え、その結果、経済界にエールを送り、弱者を犠牲にする。そうした流れが労働ビッグバンの底流にあるとしたら…。
こういう視点で日々のニュースを拾うべき。