2007/11/03(土)01:35
1997年―世界を変えた金融危機
竹森俊平「1997年―世界を変えた金融危機」(朝日新書)読了。
面白かった。しかし、感動的ではなかった。数字を操作的に扱うテクニシャンであって、切実さを伴う生活者の視点はまったくない。
ついでにいえば、ナイトの不確実性とか、マックスミニだとか、しょうもない、数行で済ましておけばいいものを世紀の大発見みたいに滔滔と説明するのはやめてほしい。おまけに、最後の方で、グリンスパン万歳、ブッシュ=小泉万歳、上げ潮路線万歳となったからげんなりした。
ただし、ドルを取り巻く数字はしっかり押さえさせてもらった。
プラザ合意のときは経常赤字が米国GDPの3%だったのが、現在は6%にいたっている。ドルの価値は20%~40%は切り下げなあかんかも知れん。
しかし、東南アジアや中国、日本がドル高を支えている。
ドル切り下げはインフレになったときに考えなあかん。しかし、サブプライム問題で金利を下げていくだろう。
おいおい、インフレの危険は微妙じゃないの!!
また、ドル切り下げで借金(米国債)チャラかよ。