2010/03/22(月)11:23
日米安保と日米同盟
●陰謀論にはすっかり飽きが来て、たとえば、陰謀論のラベルを引き剥がすといったアーカイブにあるのをときどき読むのだけれど、正直言って、生活にどう影響するのかという視点を欠いた言説には距離を置きたい気分だ。陰謀論といえば、陰謀論の系譜がコンパクトにまとまっていてわかりやすい。これに尽きる。三井と三菱の歴史など、欧米との国際経済の交渉史などは広瀬隆の「持丸長者」前中後などでフォローしたいが時間もカネもない。鬼塚英昭の「天皇のロザリオ」上下を含む一連の書籍なども興味はあるが、対応できない。陰謀論者のレッテルを張るのは簡単で、それで安心して満足してしまう者がほとんどだ。だが、何%かの人間はおやっと思う。この何%の中につぎの坂本竜馬や西郷隆盛が埋もれている。渾身の力を絞って、洗脳支配による世界統一政府と陰謀の真実をリンクしておく。
ところで、孫崎「日米同盟の正体」がいいらしい。岩上安身氏とのインタビューが衝撃的だ。岩上氏のサイトにテープ起こしがある。
(引用)
…で、これはいい機会だと思いまして、手を挙げまして、『先程から「日米安保」ではなく「日米同盟」のあり方を見直すため、その話をするためにハワイでこれから会談を行うとおっしゃっていますが、そもそも、安保と同盟の違いは何か』。そこで孫崎さんのお名前を出して、『元外務省国際情報局長の孫崎さんは「日米同盟の正体」の中で、同盟と安保というものの違いは、まず、カバーする対象が、安保の場合は極東。ところが同盟の場合は世界中、アメリカの国際戦略のあるところ、どこへでも日本は追随する』と」
孫崎「はい、はい」
岩上「それから、『日本を守るというものから、アメリカの戦略に追随するものへと、その目的とか理念とか性質が変化してしまっている』と。『これはどういうことであるのか、我々は全然わかっていないんだけれども、大臣のご見解と定義を教えてください』と…
…
孫崎「まずね、今お話されたことの繰り返しになるかもしれませんし、本の繰り返しになるかもしれませんが、日本の多くの人に、日米関係の基礎は何ですかというと、それは安全保障ですと。ではその安全保障の基礎は何ですかというと、日米安保条約と、こういうわけです。今も日米安保条約の50周年で、記念をしてやっていきましょうと。ということですから、多くの人は、日米安保条約が基本的に日米を決めているものと、こう思っているわけですね。
ところがご指摘のように、一番明確なのは、橋本さんの時と、2005年と、やっぱり違うんです。どう違うかというと、橋本さんの時にはまだ、世界戦略というところに踏み切っていない。それから世界戦略とかつ地域を世界に展開するということと、それからアメリカの戦略と一緒になってやると、日米共通の戦略というものに対するコミットは橋本さんの時にはないんです。
だからもしも外務省が、いや、変質は橋本総理から始まっていると言えばこれは事実ではないんです。じゃあどこから始まったかというと、これは春原(すのはら)さんの『同盟変貌』(日本経済新聞社)という本がありますけれども、日経新聞の。2002年ですね。2002年にイラクに対して日本が入っていけということとセットに、この日米同盟案が出てきたわけです」
岩上「2002年」
孫崎「ええ、2002年、あるいは2003年ですかね。2003年、これから日本もイラクへ一緒に行けという話と」
岩上「イラク戦争に」
孫崎「イラク戦争とセットにして出てきて、この時の向こうの中心人物がローレンス(Lawrence Korb)。国防総省の次官補だと思いますけれども、対日関係ずっとやっていた。ということで、世界の戦略に、アメリカの戦略とともにあると、いくというものは、2002年の前にはそんなに明確な形にはなっていない。
で、それが交渉が始まって、ドキュメントとして出てきたのが2005年の10月。だから、そういう意味では2005年というのは大変な変革なんですけれども、外務省も防衛省も変革があったという説明はしていません」
●ダメ押しで、とくらblogよりもっとシンプルかつ端的な引用を孫引きしておく。小泉政権を経て確実に日本は貧しくなった。これは誰もが実感するところだと思う。だから、自民を捨て、民主に期待しているのだ。
(孫引き始め)
小泉内閣が憲法違反の軍事介入条約を国民に隠して調印した疑惑 より一部引用します。
706 名前:○民主党●[sage]
投稿日:2010/02/14(日) 05:22:18 0
日米安保条約が日米同盟にすり替えられた現実を知ってびっくり
2005年10月29日 日米同盟 未来の為の変革と再編
町村外務大臣、大野防衛庁長官
おいおい、一体どうなっている? 小泉内閣は買国内閣だったのか?
集団的自衛権どころの話じゃねぇじゃん、米国が認知した紛争地域に日本が米国と協調して軍事介入可能とか・・・・
憲法違反の条約を小泉内閣は国民に隠して調印していましたとさ・・・・
孫崎享氏インタビュー (元外務省国際情報局長)
http://www.youtube.com/watch?v=cJxUP6r-r1U
(孫引き終わり)
●これらの経緯を知るに及んで、いかに自民末期の政治が劣化していたかということがわかる。日本の国益を考えているとは思えない。人材が払底していた。まともな人がいないんだから、まともな政治になるわけがない。安倍晋三のときの何十回という強行採決の嵐をぼくは絶対に忘れない。繰り返す。絶対に忘れない。
●冒頭の陰謀論だが、「陰謀論」というタームが味噌もくそもいっしょで、定義付け作業をきっちりするべきではないだろうか。副島氏が陰謀論者かというとそんなことはないと思われるし、地震兵器を主張するフルフォード氏はちょっとぶっとんでるかも知れないが、それでも面白い話を聞ける。問題は、安部芳裕氏で、彼の本を買って、読む気もしなくなったところくらいから、気持ちが萎えてきたのであった。結局、人に会って仕入れた情報が一番で、多読精読によって、形成した思考の枠がつぎに面白く、ネットは確かに便利ではあるけど、所詮ただ(無料)の情報にすぎない。残念ながら、安部氏の議論はネット上のそれをそのまま引き移しただけのものだ。陰謀論は、錬金術にも似て、面白いのではあるが、さらなる飛躍、進展がないと閉塞する。天才が待たれる。
●ウォールストリートはおかしいと思うし、軍産複合体もまずいことだとは思うが、システムの問題点を構造的に解明し、処方箋を描いて運動にむすびつける天才を待つ。それまではマインドユアオウンビジネスであろう。