闘魂 サバイバル生活者のブログ

2010/08/29(日)17:58

戦略

闘魂(144)

●インターネットの言論を味噌カスに言うのは容易いが、次のような見立てが溢れているので、やはり無視はできないと思う。確かに、文献目録もないし、匿名で書かれているので、割り引いて読んだり、聴いたりしないといけないが、こういう議論は、少なくともウチの同僚たちとの間では成り立たない。では、阿修羅経世済民69より、中共経済、その強さの秘密と脆弱な日本を引用。(適宜●印でコメントを付す) (引用はじめ) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1568711837&owner_id= 崩れ始めた不動産バブルとか、賃上げが起きれば外資は出て行く、などの危機感を感じてもいる中共の経済ですが、そんな噂を尻目にますます強くなっているように見えます。 最近ではその中共のやり方をみて、他の主要貿易国も追随してくるようになったとか。 こんど新札(500元札【6400円相等】)を発行する中共。その肖像は毛沢東ではなく「孔子」だとか。国際的に残忍な独裁者のイメージがつきまとう毛沢東より世界的に尊敬されている聖人君子を使う意味は、国際決済通過のドルに変わって人民元を決済通貨にしようという戦略。 その手始めとしてアジア決済をドルから人民元に変えようというもの。 ●孔子といえば、江戸期の寺小屋が思い浮かぶ。長きにわたって日本の官学だったし、日本の儒者の文献ならまだまだ発掘できるような気もする。明治維新以後の近代化以前は、自給自足のエコ社会だったことを考えると、確かに近代主義はあなどれないが、とるべき選択肢(参照すべきモデル)のひとつではある。 アメリカに追従し大失敗だった「円」。そしてアメリカ・ドルのやり方からユダヤ金融の行動までじっくりと勉強している中共の経済学者たち。 ドルがリーマンショックで大ダメージを受けたのをチャンスとして、見事な通貨政策をやってのけました。 先ず人民元をドルにくぎ付けにし、市場介入によって強制的に固定してきたこと。当然アメリカが反発し切り上げを要求してきます。そこを適当にあしらいながら、貿易決済通貨として国際的に浸透させる政策に本腰を入れ、ブラジル、韓国、ロシアと通貨交換協定を結んで人民元を相手国に供給したり、国有商業銀行をアジア地域に進出させ、人民元を融通してきました。 ドルに対して、超安定の状態を続けている人民元。人為的な操作とはいえ、安定した通貨は企業にとって為替変動リスクを回避できるメリットがありますから、外部からの直接投資は安定します。そして同時に輸出競争力も強くなります。 ●こういう荒業を属国日本にできるかという思いが去来する。年次改革要望書システムが機能してきた経緯を見れば当然だ。首相が菅直人では、なおさらである。彼にうまく立ち振る舞えるとは思えないのだ。パペットに過ぎないことは明らかだからだ。 リーマンショック以降1年間ほど通貨安の政策をとったアジア各国とブラジルでしたが、人民元の安定状態を見て、人民元の水準に収斂させるような通貨政策に移行しました。 このような世界各国の必死の通貨政策に対し、我が日本銀行は無策状態。為替の市場介入もせず、金融の量的緩和にも踏み切らないで、市場のなすがままに円高放置を許してしまいました。 ●ブラジルの情報が英語で入手できない。英米の息のかかったニュースは少し偏向している感じなので、ぜひ入手したいのだが、ポルトガル語が読めないのだ。で、英語に頼るのだが、どうやらそれでは限界があるようだ。 リーマンショックは結果的に通貨が市場から大量になくなることが問題。だから各国とも通貨を大量に発行して危機回避を計ります。しかし発行した通貨の回収が出来ないと、こんどは国際決済時に安値になってしまいます。ドルもそういう通過のひとつ。安値になれば輸出はいいけど輸入には大打撃です。このコントロールが難しいところ。 したたかな中共はそこに香港の利用を考えたようです。即ち中共の人民銀行は香港金融管理局との間で、香港の銀行が香港の証券や保険会社との人民元資金決済を自由にさせることで合意したとのこと。 これで香港の証券、保険会社は人民元資金を銀行から自由に調達できるようになるので、人民元建て金融商品の開発・販売業務が展開できます。 これで中共外に出回る人民元は香港で販売される金融商品を経由して香港の銀行口座に吸い込まれ、最終的に北京の管理下に置かれるので、人民元を外国に大量に撒いても、香港の銀行を経由して還流させる機能を持つことになります。これで海外市場で人民元の自由相場が成立しても"管理変動相場制"がそう簡単に壊れることはないということです。 ●いつの新聞だったか、日本電産だったと思うのだが、部長昇格にトリリンガルであることを要件にしたとあった。世間では中国語が人気ですが、中国の情報も英語だけでは、入手に限界があるかも知れない。 この仕掛けを準備してから、中共政府は大量の人民元を発行しドルを買い上げ、人民元が上がることを防ぎ、国内需要を喚起します。(大半は土地バブルを生みましたが) 日銀の無策によって、日本企業は瀕死の重傷。そこに中共需要が発生して、かろうじて息をついていたとも言えますね。 そして中共はIMFの特別引き出し権(SDR)に人民元を組み込むように画策を始めています。これに成功すると、人民元は世界各国の支払い準備用通貨として認知されたことになるわけです。 日銀の無策で円は今83円/ドル。リーマンショックで失われ市中通貨。それは世界中の問題で、通貨の大量発行をしなければならない現状。各国とも、それをどうやって行うか必死で探求していた時、国債の日銀引受はインフレに・・などと寝ぼけたことを言っていた日銀の爺さん達… (引用終わり) ●堤未果「アメリカから<自由>が消える」(扶桑社新書)がたいへんな良書らしいが、もはやアメリカに中国の人権を云々できる状況ではない。日本はどうしていくのか、戦略を描きなおさないといまのままではジリ貧だと思う。(堤氏がジャーナリストとして身体を張った仕事をしているのは別途投稿したい) ●以上の文脈で、ASEAN+3の記事を再読する。人民日報の数日前の記事だ。リンクしておく。 China vows to promote trade facilitation under ASEAN Plus Three mechanism (要約は後日追記にて) 追記: 中国はアセアン+3との貿易促進の協調関係を強化する体制を固める。ベトナムのダナンで開催されたアセアン+3の13回目の経済閣僚会議で次のように発言した。中国は貿易促進による、貿易コストの低減とより良い貿易環境の創出を目指している。東アジア経済統合は、各国の発展に貢献する。アセアン+3は東アジアの経済協力促進の主要経路となる。そのGDPは世界の20%近くを占める。貿易量では31%を占める。世界金融危機の間、アセアン+3は緊密に行動し、保護主義に反対し、協力関係を深め、それぞれ各国が経済回復と成長を達成した。中国は東アジア地域の経済協力に参加し、同地域の繁栄に寄与することを約束する。

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