2006/10/16(月)20:24
**イギリスの発達障碍事情2**就学偏
イギリスでは8月31日までに4歳になった子供から義務教育が始まります。最初の6年間をPrimary School(10歳まで)次の6年間Secondary School(or Grammer School)(16歳まで)過ごします。ここから先は自由選択です。
この段階では、まだLUFAP(Lancashire Under Five Autizm Program)よりサポートティーチャーを派遣してもらえるということだったので、あえて普通校にトライすることにしました。
まずは、近所の学校を訪問。
全部で3校、すべて校長先生と面会させていただき、Gerogeの状況を説明しました。
クラス訪問もさせていただき、実際の授業風景を参観しました。
ポイントは、スペシャル・ニーズの子供たちの受け入れが可能か。
クラスのサイズはどのくらいか。
先生方のスペシャル・ニーズに対する対応など。
その後、LUFAPの先生の意見も含め、すでに自閉症を受け入れたことがあるという1校に決めました。
小学校に上がるまでに、ドクターからの診断を受けている場合、SEN(Special Educational Needs=特別サポートが必要な生徒に対する教育委員会のようなところ)とのインタビューがあり、子供たちに必要なサポートは何か話し合われます。
うちの場合、前の日記に述べたLUFAPの先生より色んな提案をしていただきました。
-言葉によるコミュニケーションが困難なため、PECS(絵カードを使ったコミュニケーション)を導入。
-マンツーマンのスペシャルサポートティーチャーをフルタイムでつける。
-クラスで授業が受けることが困難な場合、代わりに使える部屋を用意してもらう。(これは既存の図書室とか。)
入学前にこれらのサポートを認めていただき、入学することが出来ました。サポートティーチャーはプリ・スクール(幼稚園のようなところ)時代からお世話になっている先生が、引き続き担当してくれることになっていたので、安心してお任せしました。
この先生は事前から、入学予定の学校と連絡を取り合い、移行の準備を事細かく進めてくださいました。Gerogeもお陰でスムーズに新しい環境に慣れました。
その後、SENと親、学校の先生陣(校長先生、クラス担当、スペシャルニーズ担当)、LUFAPの先生方を含め、半年に1回Reviewミーティングが設けられ、Gerogeへのサポートが妥当かどうか、新たな物が必要かどうかなど話し合われました。
このとき、鉛筆を持つことが困難で、文字を書くこと、文字を始める位置がわからない(ディスプラクシアという一種の学習障害)ではないかという疑いが持たれ、鉛筆を使う代わりにコンピューターによる学習を認めてもらうように提案されました。
その後、Gerogeに1台のコンピューターが学校に設置され、文字を入力することを学びました。
普通校での1年間。クラスでみんなと一緒に勉強することが難しく、よくとなりの小さな図書室でサポートティーチャーと課題をこなしてました。時には数人のクラスメイトに助けてもらいながら、クラスで勉強することもありましたが、長時間は持ちません。サポートティーチャーの助けがないと、クラスの中でみんなと生活することは難しかったです。
行事の時期は参加する時間を短くしてもらったりとかなり配慮頂きました。
それでも、メリットはクラスのみんなの温かい対応によって、人に関心を持つようになりました。後半は自分からPECSカードを使って一緒に勉強したいお友達を選び、自分からそのお友達に頼みに行ったりしました。
まだ年齢も幼い子供達なので、Georgeとの違いもそんなに感じない時期だったこと、もちろん、クラスの先生やサポート・ティーチャーからクラスメイトへのGeorgeに関する説明が適時的確だったこともあると思います。
毎日嫌がらず登校し、かえって帰宅時に怒り出すというほど、学校は好きでした。
親から見ても、本当に、とても良い学校だったと思います。
しかし・・・次の学年に上がる前のミーティングの時、LUFAPからのサポートが終了することもあり、新しいサポートティーチャーをフルタイムでつけてもらって、そのまま普通校へ通い続けるか、スペシャル・スクールへ転校するか決断しなければなりませんでした。
新しいサポート・ティーチャーは必ずしも自閉症専門の先生ではなくなる・・・となると、Georgeを管理すること(パニックにならないようにするとか、出来そうな課題をこなすとか)はできても、彼にあった方法で学ばせることは出来ないのではないか?
Gerogeに合った学び方で、彼が色んなことを学んでいく・・・これが一番の目的だと思ったので、私たちは、スペシャル・スクールそれも、自閉症専門の学校へ転校させることを決意しました。
・・・つづく