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再活動前の鈴木あみのシングルレビュー。
要は小室哲哉プロデュース時代のってことですね。
わずか3年あまりしか活動期間はないですが
当時、小室プロデュース全盛の時代にあって
独自の世界観を築けたのはよかったんじゃないかな?
love the island (1998/07/01) 最高5位 28.8万枚>>>記念すべきデビューシングル。
夏のイメージにぴったりで爽やかなアイドル路線まっしぐらかと思わせておきながら
「ゆっくりと静かに 気付かれず忘れたい」
「本当はあなたの目の前で思いきって 泣いてみたり 笑ってみたり
怒ってみたりさせて欲しかった」
「また出直しだからいくらでも どうにでも」
・・・と実は失恋した女の子が(おそらく)南の島に来て
彼氏を忘れようとしている悲恋の歌詞だったりする。
100位内に22週もランクインし、デビュー曲としては順調な滑り出しだった。
| alone in my room (1998/09/17) 最高3位 35.3万枚>>約2ヶ月のインターバルでリリース。
この頃は立て続けにリリースしていく時代だったので、特に不思議でもない。
秋の物悲しさとマッチした歌詞と曲調で、TKサウンドの王道とも言える仕上がり。
鈴木あみの、上がりきらないキーの高さが、曲の雰囲気をより深いものにする効果もあって彼女向けの曲。
決してKEIKO、安室、華原らTK作曲の申し子たちの唄う曲ではない。
(だからというわけじゃないだろうけど、この曲から小室のコーラスが全然なくなる)
ジャケットのふてぶてしい顔の鈴木あみも印象的。
歌詞だけ見ると「love the~」の続編のようにも思えるが小室哲哉的には意識したものではないらしい。
個人的には秋ごろにピッタリあう鈴木あみの名曲だと思う。
| all night long (1998/11/05) 最高2位 39.6万枚>>当時の小室の実験作。来るべきトランスブームを予見したかのようなイントロで始まる。
Aメロ、Bメロは起伏の少ない連続音で立て続けていく。
小室哲哉の音楽性の進化を垣間見えるのが、この「all night long」。
音は抜群に次世代を予感させるカッコよさなのだが、鈴木あみの歌唱力では
そこまで感じさせられなかった・・・・。
かといって、この時期のTKには安室は産休中、華原は落ち目、globeは4作連続の準備、
と武器もなかったわけで・・・。
| White Key (1998/12/16) 最高2位 50.3万枚>>前作ほど本格トランスサウンドではなく、
ポップ色を強めた4枚目のシングル。ここまでが鈴木あみのポピュラーへの紹介、だったと小室哲哉は言ったとか。
98年下半期のチャートを賑わせた鈴木あみのこの年の締めくくり。
「Don't wanna cry」(安室)と音は近いものがあるが、
1998年風という感じでR&B色とトランス色をうまく混色させて新しいアレンジになっている。
ウインターソングとして、素晴らしい出来なのだが、
笑顔を浮かべて歌う鈴木あみに対して、歌詞はまたもや悲恋の歌。
笑顔と悲しい歌詞のミスマッチをも小室は狙っていたのだろうか?
| Nothing Without You (1999/02/17) 最高2位 50.3万枚>>これからの鈴木あみはR&B路線に転向させていこう・・・
そんな感じが伺える1999年の1枚目。「モンスターファーム」のイメージソングなせいもあって
「戦い」とか「強くなれる」のキーワードも出てくるが全体的には、とてもゲームのイメージソングには思えない。
時代的にはマニアックな作りのサウンドな気もしたが、いま聴くとそうでもない。
実際に、宇多田ヒカルや倉木麻衣が台頭してきたのだからTKの新時代の読みは間違ってなかった。
惜しむらくは鈴木あみは、R&B向きではなく、キーボードテイストのJポップ向きだったということか。
| Don't leave me behind/Silent Stream (1999/03/17) 最高3位 27.3万枚>>初の両A面シングル。トランス+R&BをTKなりにミックスした仕上がり。
関係あるのかないのかわからないキーワードが飛び交うMARC&Ami作詞の曲。
コーラスがカッコよかったり、クラブウケしそうな打ち込みも響きまくる。
曲としては好きだが、果たしてシングル向きだったんだろうか?
| BE TOGETHER (1999/07/14) 最高1位 87.0万枚>>TM再始動時に合わせてリリースされたTMのカヴァー曲。
しかし、かつて渡辺美里がカヴァーしたいと言ってもさせなかった曲を歌わせるとは・・・・。
鈴木あみ初の1位獲得、そして鈴木あみ最大のヒット曲となった。
鈴木あみ=BE TOGETHERの印象を持つ人は多いだろう。黒い衣装が彼女を大人びた印象にもさせていた。
ウツの歌うものとは、明らかに似ても似つかないが、そういうアレンジだから、と思えば悪くない感じ。
また、余談になるが「BE TOGETHER」と同日に、
同じ「ASAYAN」出のモーニング娘。が「ふるさと」をリリースし、
どっちが上位になるかが注目されていた。結果、あみの圧勝となった。(「ふるさと」は最高5位、17.1万枚)
そして、鈴木あみの大ヒットが、
間接的とはいえ、日本のアイドル事情を変える一因になったのかもしれない。
安倍なつみメインボーカル曲での敗北を受けて、モーニング娘。は路線変更。
過去最大のエースとなる後藤真希の加入による「LOVEマシーン」が大ヒットを記録するのは
この後、わずか2ヶ月後のことである。
| OUR DAYS (1999/09/29) 最高1位 46.7万枚>>小室みつ子を作詞に迎えたのは前作のヒットを受けてのことなのか?
夕暮れの教室の情景が浮かびそうなメロディーと歌詞のハーモニーが絶妙。
この辺は小室みつ子の持つ十代にピッタリ合う素晴らしい作詞能力である。
鈴木あみが切々と歌いあげる鈴木あみ屈指の名バラードである。
ただ、この頃から、鈴木あみの歌唱力を問う声が増えだしたのは事実である・・・。
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HAPPY NEW MILLENNIUM (1999/12/22) 最高2位 36.4万枚
>>2000年のミレニアムに合わせてのリリース。
クリスマス時期ということもあり、ジングルベルを思わせるイントロで始まる。
バイオリンなんかも使われていて、荘厳さも感じさせる。
2000年の祝福曲・・・と言ったコンセプトの曲だったはずなのだが
「正直なあのコが羨ましくて あなたをとられそうで怖かった」
「世界に同じ人なんて いるはずなんてないから」
「みんな急いで歩きだした もうすぐ終わるこの時代を」
「すぐ世界はメチャクチャに なりそうな世紀末でも」
・・・と、女の子の恋愛と時代の終わりがゴチャゴチャになっていて作詞としてはいかがなものか。
時代は終わり、変わり、世界はメチャクチャになっても、私たちは今からはじまる、ずっと2人でいよう
っててことなんだろうけど。
ちなみに作詞は鈴木あみと前田たかひろで、小室哲哉によるものではない。
せっかく2000年にふさわしい曲になる可能性があったのに、まとまりがなくなってしまった。
| Don't need to say good bye (2000/01/26) 最高5位 34.6万枚>>卒業シーズンにふさわしい切ない曲。
久々に小室哲哉のコーラスが大きく展開されており、これぞTKプロデュースといった感じ。
実はこれもモーニング娘。の「恋のダンスサイト」と同時発売なのだが
こちらはあまり盛り上がらない戦いになってしまった。
発売した週は「TSUNAMI」(サザン)、「恋のダンスサイト」(モー娘。)、「ギブス」「罪と罰」(椎名林檎)も初登場の週で
ランキング的には5位どまりになってしまった。
ボーカルの声を機械でいじるサンプリングぽいのが
当時ちょっと流行りだった(TMの「GET WILD DECADE RUN」とか安室の「LOVE2000」とか)のだが、
それをこの曲でも採用しているが、流行りに乗っかっただけで、あまり効果的ではなかった。
いっそ生ピアノと生声だけでも面白かった気はする。
鈴木あみの任期の凋落が見え隠れしてくる曲・・・。
| THANK YOU 4 EVERY DAY EVERY BODY (2000/04/12) 最高1位 23.4万枚>>この曲で小室哲哉は何をしたかったのか・・・?
はっきり言って何も伝わってこない。やっつけ仕事で作られているようなイタイ曲。
「へこんだ」とか「着信」だとかイマドキの女の子を描いてるのだろうけど・・・。
「だけどDNAはたしかに くずれさって日々へってく」という化学を勉強した人が「?」と首を傾げそうな歌詞(正解だけど不正解みたいなコトバ)、
小室、前田、鈴木あみの3人の共作のクレジットの作詞だけど
誰がどこを書いたのか、まとまりのない歌詞ばかり。パート別に話し合いもなく書いたような曲。
100位内にわずか6週間しかチャートインしなかったが
20万枚を超えちゃうあたりは、鈴木あみの人気の根強さの証明だったのかも。
(そこらのアイドルじゃ1万枚売れるだろうか?)
この曲だけが収録シングルの3rdアルバムは売上枚数は前作の半分以下と、かなり下り坂になってきた。
個人的には、かなり、評価の低い曲。
| Reality/Dancin’in Hip-Hop (2000/09/27) 最高3位 21.1万枚>>小室プロデュース最後のシングル。
まさか最後のシングルになるとは、誰も思っていなかっただろうけど。
小室みつ子が作詞を手がけた。それゆえにまとまった仕上がりになっている。
ベスト盤にしか収録されていないシングル。
音は単純な打ち込みでアップダウンが少ない分、メッセージ性が伝わってくる仕上がり。
ボーカルエフェクトが効果的にはまっていて、迷走した鈴木あみプロデュースも落ち着いたかに見えたが
鈴木あみが芸能活動自体を停止するような事件が発生し、
このシングルで小室プロデュースは終わりを告げる・・・・・。
そして、彼女がメジャーでCDをリリースできるまでに4年という月日が必要となるのだった。
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Last updated
2005.10.24 15:17:49
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