８ビートでふく風

アレルギー性鼻炎の手術

（１）鼻中隔矯正術
（２）粘膜下下鼻甲介骨切除術
（３）経鼻腔的翼突管神経切除術（後鼻神経切断）


今回同時に行ったのは上記の３つ。
（１）と（２）はセットで行われる事が多いようで比較的ポピュラー。
（３）はアレルギーの神経を切断するもので、それほどポピュラーではないようです。
実際、手術料は（３）が高額。
（１）と（２）については、http://www.kawamura-jibika.com/excision.htmlにわかりやすい図解がありましたので紹介。（３）については、http://www.kawamura-jibika.com/cutting.htmlに図説があります。


さて積年のアレルギー性鼻炎。6年前にはレーザーによる焼灼を行ったが、あまり効果は無かった。その時以来、小樽のクリニック等でも手術を勧められていました。
7泊8日という日程、効果（成功・失敗では無く効果が感じられる人の割合が8割とか）、概算で15万前後の費用の問題もあり、なかなか実行出来ませんでした。

4月からコントラバスのレッスンを受けるようになり、集中力の問題や疲れやすさ、日ごろの睡眠の深さなどを鑑み、今しか時期は無いなぁ・・・・と思うようになりました。

病院は耳鼻科の手術では圧倒的に手術件数が多く、経鼻腔的翼突管神経切除術の第一人者の先生がいらっしゃるK札幌病院。

手術と入院

　5月17日（月）1日目
10時半～11時半に受付をするように指示があったので、妻の車で10時20分に病院窓口
に到着。病棟看護師の案内で病室へ。入院予約の際の希望通り差額2650円の個室に案内された。テレビ、電話、クローゼット、洗面台、ソファ等が揃っている。携帯電話が使える現在では、部屋の電話にはあまり魅力は感じなかったが・・・・・。個室なので携帯の使用もOK。テレビや冷蔵庫の使用にも個室の場合は料金がかからないらしい。とにかく広いし、全く割高では無い。
　暗証番号式の金庫もあったので何かと重宝。食事は目の前の食堂か自室のどちらかです
るらしい。
　部屋の説明が終わると、看護師からの説明、薬剤師からの説明があり、チームドクター
に別室に呼ばれ、症状の説明、手術の内容、等の説明を受け同意書にサインをした。
CTの画像を見ると、やはり手術が必要な状況。特に右側は全く空気の通り道が無い状態。
説明してくれた先生は若い女性で、とても聡明そうで可愛らしい方だった。
その後、麻酔医から手術中の麻酔について説明があった。僕は喘息なので、もしもの場
合に備えて、マスクではなく管を入れる方式にするとか。また、頚椎症という事で手術中の枕？の状態も配慮すると説明された。
　矢継ぎ早の様々な説明に驚いていた妻が仕事の為帰ったあと、昼食を院内のレストランで食べた。
午後からは読書をして過ごした。明日が手術と言う緊張感は無い。
看護師さんは、1日24時間で3交代で担当してくれるようだ。
シャワーを使うかと聞かれたが、昨夜風呂に入ってきたのでやめた。病室に来る看護師
さんのワゴンにはノートパソコンがあって、いろんな事を入力していく。手術に備えパソコンと機械を使い両手の手のひらの静脈の登録をした。取り違えを防ぐ為らしい。
18時に夕食のチャイム。なかなか現実的な時間だ。昔は病院の食事って17時頃だった
ような気がする。
なんだか嬉しい。この食事後22時からは絶飲食で翌日も絶飲食となるから。食事を貰い
に行ったら、マイ箸が無い事に気づく。１階の売店で7日分入った割り箸を105円で購入。食事は驚くほど質素なものだった。精進料理かと思った。

19時から術前術後の鼻の空気の通りの違いを計る為の検査を外来診察室で行った。副部
長の先生だったが、とても親切に鼻の事について説明してくれた。湾曲の為に軟骨を削ったりするのは多いが、神経を切除するのは、どの病院でも出来るわけでもなく、少ないと言っていた。

21時に胃腸薬と睡眠薬を飲むように指示されて服用。いつの間にか寝てしまった。


　5月18日（火）２日目
　6時に検温の放送。体温計を脇の下に入れて、そのまま寝てると7時頃に看護師さんが
登場。36.2度。青い手術着を持ってきていて、7時45分までに着ておくようにと指示さ
れた。手術着を着て寝ていると、看護師さんが来て点滴。この時刺した針は結局6日間抜かないままとなる・・・・・・。太い針だったが、太い針を血管に的確に入れるのは難しいらしいが、看護師さんは、いとも簡単に一発で完了。素晴らしい技術だ。
　点滴で少しウトウトしていると9時45分にストレッチャーが来て、乗るように指示され上を向いたまま手術室へと運ばれる。手術室で執刀する先生の顔を見たような気がす
るが、気づいたら12時20分。熱は37度。鼻は痛くは無いが、これでもかとガーゼが詰
まってるので息苦しい。かなり息苦しい。
看護師さんから、そのまま3時間安静と言われた。1時間くらいすると尿意を我慢でき
なくなり、ナースコールをすると尿瓶を持って来てくれた。
　手伝ってくれると言われたが、恥ずかしいので自分でした。手術の際には昔は尿道カテ
ーテルをしていたようだ。
ともかく、上を向いて寝ているのが一番楽なのだが、鼻汁のような物が耳の方に行ってツーンとしたり喉の方に行ったりで、気持ち悪い。更に鼻に詰めたガーゼの先からも血が混じったものが流れてくるし・・・・・・・・。
絶食と言われたが、とても食べれる状況では無い。3時間経ち、トイレに行きたくなったのでナースコール。まずパジャマに着替えるように言われたが、布団のしたでは手術着は一枚の布のような状態になっていて、ほぼパンツ一枚で寝ていた感じだった。そのまま看護師さんに手伝ってもらいながらパジャマを着て、トイレまで看護師さんに付き添われて行った。
16時頃に痛み止めを貰い服用。鼻の中がヒリヒリしていた。とにかく予想通り、情報通り手術が終わった後と翌日が一番辛いようだ。まあ、痛いとかとはちょっと違うので我慢出来ないものでは無い。
とにかく抗生剤を中心に点滴。
なかなか眠れないが、鼻にガーゼが入っている2日間は眠剤は使えないらしい。
　

　5月19日（水）３日目
　昨夜は眠れなかった。朝食はお粥。鼻にガーゼが押し込まれており、更にその上からガーゼで押さえているので、食べずらい。情報通り、想定内だが辛い。ただ無限の辛さでは無く、翌日までのものとわかってるので耐えられる。しかし上を向いて寝ているのが一番楽。
　午前中に採血と胸部レントゲン撮影。
　お昼ご飯もお粥。食事制限は無いとの事だったので、売店で手巻きすしを１個買って食べた。
　夕食は普通のご飯になっていた。熱は37度くらい。嬉しい事にテレビで野球をやっていたので気分がまぎれた。痛み止めの座薬を挿して就寝。早く明日になって欲しい・・・・と願いながら・・・・・・・・。
　
　5月20日（木）４日目
　昨夜も、なかなか眠れなかった。この手術を局所麻酔で日帰りでやる病院も本州の方に
はあるらしいが、信じられない。
　朝、体温は36.3度。平熱。9時に外来に行き、美人の若い先生にガーゼをとって貰う。
待ちに待った瞬間。しかし麻酔は使わない。ガーゼは長いものがキシメンのように入って
いて万国旗の手品みたいに出てくるのかと思ったら違っていた・・・・・。
　固まり。ねじった固まりが片方ずつに6個ずつ。引き出す時に、なかなか痛い。僕は
痛みには強い方だけど、自然と涙が出てくる。右側が終わって左になったけど、その時に
は痛いのは、6個、6回・・・・ってわかっていたので、それほど辛く無かった。
　自分の場合だけかも知れないけど、無限の痛さは耐えられないけど、ある程度終わりが
わかっていると耐えられる。

　ガーゼを抜いた後に何か薬をつけたようなガーゼを鼻の中に入れてグチャグチャする。
それには麻酔の成分が入っているらしく、あまり痛くなかった。
　処置を終え、両方の鼻の穴に綿球を入れて終了。この綿球状態は退院前日まで続くが、
鼻呼吸もある程度できるし全然楽チンであった。
　午前中に看護師さんが上半身をタオルで拭いてくれた。
　気持ち良かった・・・・・・・・。
　そして、この日から朝と夕方に外来で処置、10時、15時、19時の三回10分間の鼻吸入。
というスケジュール。
　食べ物も美味しく食べられるようになつたし、快適そのもの。
　睡眠薬を飲みぐっすりと睡眠。

　5月21日（金）5日目
　昨夜は眠剤のおかげか、よく眠れた。今日は待ちに待ったシャワー解禁日。ここ数10年
でシャワーをこんなに楽しみにした事は無い。とにかく手術以来、パジャマは毎日新しい
ものと交換してくれるのだが、頭がベトベトなのが気持ち悪い。
　点滴の針が刺さっている部分に水が入らぬようラッピングして貰い、予約した時間にシ
ャワーに。極楽・悦楽の時間とはこのことなのか・・・・・・・。30分の割り当て時間だ
ったけど15分くらいで終了。
　食欲があってご飯は美味しいのだが、おかずが極端に少ない。売店に行ったら大好物の
サンマの蒲焼、サバの味噌煮　の缶詰を発見。これさえあれば・・・・・・。早速、夕ご
飯から試して見ると極楽な味。
　ここまで来ると・・・あとは土曜・日曜を乗り切れば・・・・・と退院が楽しみになる。

5月22日（土）6日目
　点滴は朝と夜。朝・夕の外来処置と吸入。ちよっと近所のコンビニに行ったらダメかと
聞いたけど、やっぱりダメだった。
　この頃になると、やっと看護師さんのローテーションも少しわかってきた。ちょっと打
ち解けた感じにもなってきた。それにしても彼女達はプロだなぁ～と感心。
　鼻に詰めた綿球も、ほとんど血がつかなくなってきた。
　２階に中庭のようなものがあるのを発見し行ってみた。やはり太陽の下、風に当たるの
は気持ちがいい。
　今日の夜で点滴は終了。痛くないので痛み止めも飲んでいない。綿球にも全く血がつか
なくなった。夜に最後の抗生剤の点滴をし、長らく刺さっていた針を抜いてもらった。日
程的には同じく、朝・夕の外来処置と3回の吸入。
　点滴の針を抜いたので、なんだか開放的な気持ちになった。

5月23日（日）7日目
　いよいよ、最後の日。
　長い1日になりそう・・・・・・・・。痛くないけど外出も出来ない・・・・。
　せめて診察が美人の先生の方だったら楽しいのに・・・・・と思っていたらその通りだ
ったので嬉しかった。入院生活はちょっとした事が嬉しい。簡単な処置なんだし、オビト
シノリに似た副部長より20代の女性の先生の方が良いに決まってる。

　やはり、睡眠薬を貰って就寝。この１日は予備日のようなものなんだろう。退院してもさほど影響は無いのではと思う。

5月24日（月）8日目
　いつものように6時に一時的に起床し検温。そのままウトウトして看護師さんにお礼を。退院の時間にはシフトが入れ替わっているので・・・・・。
　8時に朝食を食べて、8時30分に外来で執刀医の部長の先生の診察でOKが出て退院。
　事務手続き等をして9時30分に病院を後にしました。

　
感想

　手術自体は全身麻酔なので全く問題無し。辛いのは2日間。鼻にガーゼを入れてる間です。後はそれほどでも無い。
　こんな事で積年のミヤモヤ感や辛さから開放されるなんて・・・・・・。
　たった一週間。もっと早くやれば良かった・・・・・。

　費用も高額医療なんたらかんたら・・・で、支払ったのは医療費・入院費が9万円くらい。差額ベッドで2万くらい。