2007/09/07(金)07:20
はちまん(上)
私のように田舎で育った者は、子供の頃に、神社の境内で、暗くなるまで遊びまわった記憶があるだろう。その神社の多くは八幡様のはずである。地元の氏神様として、もっとも我々に身近な神様であり、日本全国いたるところに祀られている。しかし、八幡様とは何かについて、それほど知られているわけではないようだ。
全国に散らばる八幡様は、大分県宇佐市の宇佐神宮を総本社とする神社である。主神は応神天皇であるが、神功皇后、比売神なども共に祀られている。この八幡神社をモチーフにした浅見光彦シリーズの旅情ミステリーが「はちまん」(内田康夫:角川書店)である。上下2巻構成であり、今回読んだのはその上巻である。
この八幡様のひとつ、長野県中野市にある小内八幡神社で、フリーカメラマンに小内美由紀は、飯島と言う老人に出会う。彼は、全国にある八幡神社を礼拝していると言う。その飯島が、秋田県で死体となって発見された。光彦は、飯島の息子が、姪の担任だったことから、事件を調べ始める。
この作品も、事件の裏には、終戦時の因縁があるようだ。その因縁が、戦後50年経ったとき、サッカーくじ問題を契機に、封印が解けたように噴出する。
しかし、上巻の中ほどで、犯人が分かってしまうような場面があるのだが、まさか、このままこいつらが犯人ってことはないだろうね。下巻でどういう風に展開していくのかな?
「はちまん」(上)(内田康夫:角川書店)
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