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カテゴリ:国内旅行
先般、瀬戸内海の島を高速艇で巡る日帰り旅行に参加してきた。広島港を出発し、船中から瀬戸内海の島々の眺めを楽しみ、まず訪れたのが下蒲刈島である。かっては、広島県安芸郡下蒲刈町として独立した町であったが、2003年(平成15)4月に呉市に編入された。 古来より瀬戸内海の海上交通の要所として栄え、大名の参勤交代や朝鮮通信使の休泊地にもなっていた。上陸した丸谷港の周辺には、色々な文化施設が集中しており、見所がいっぱいである。現在、全島庭園化事業(ガーデンアイランド構想)が推進されており、自然と歴史と文化を生かしたまちづくりが進められている。10月21日には、朝鮮通信使再現行列が行われ、普段は人通りの少ないこの地区も賑わったようだ。 まず訪れたのが、松濤園(しょうとうえん)である。朝鮮通信使に関する史料などを展示した「御馳走一番館(朝鮮通信使資料館)」、陶磁器を展示した「陶磁器館」、アンティークなランプを展示した「あかりの館」、江戸時代の姿を復元した「蒲刈島御番所」から構成されている博物館で、当時のこの島の繁栄振りがしのばれる。 「松濤園(しょうとうえん)」 次に訪れたのが、「蘭島閣美術館」である。館名は、この島に多く自生していた春蘭にちなんでつけられたということだ。地元ゆかりの作家などの作品を展示している。訪れた時は、秋季特別展「須田国太郎と独立美術協会で活躍した作家たち」というのをやっていた。なお、須田国太郎(すだくにたろう:1891-1961)は京都府出身の洋画家である。 「蘭島閣美術館」 最後に訪れたのが、「三之瀬御本陣芸術文化館」である。この施設は、朝鮮通信使の案内役であった対馬藩の宿泊所の概観を復元したものだ。中は美術館となっており、須田国太郎の作品を常設展示しているようだが、このときは、ちょうど香月泰男の特別展をやっていた。香月泰男は、山口県長門市(旧大津郡三隅町)出身の画家で、シベリア抑留の体験から描かれたシベリアシリーズなどで有名である。地元には香月泰男美術館も建てられている。暗い色調の中から躍動する生命の息吹を感じるような作品群はすばらしかった。香月泰男展をやっていることは、この島に来て初めて知ったのだが、これだけでも、来た甲斐があったというものである。 「三之瀬御本陣芸術文化館」 下蒲刈島を見終わると、次は昼食のため、大崎上島に向かった。 (続く) ○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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