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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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December 22, 2007
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 書店で、変わった題名のホラー小説が目に付いた。たまにはホラーを読むのも良いかもうと思って買ったのが、「壊れた少女を拾ったので」(遠藤徹:角川書店)である。題名の、「少女を拾った」とはどういうことだろう、それも「壊れた少女」とはと、不思議に思い、興味を引かれたのである。少女なんて、道端にそんなに落ちているものとは思えないのだが・・・

 作者の遠藤徹氏は、「姉飼」という小説で「日本小説大賞」を受賞している。そういえば、昔、「姉飼い」を読んだ記憶があるのだが、どうにも理解できない作品だった。

 この本は、5つの短編からなる短編集であるが、どの作品をとっても、異常な世界が広がる。まさか、こんな話ばかりだとは思わなかったが、買った以上、読まないともったいないので、一応最後まで読んだ。人前で読んだら、絶対にかなり危ない奴だと思われてしまうような本なので、読むのならこっそりと読んだほうが良い、そんな作品ばかりである。

 「弁頭屋」という作品であるが、これは、人間の生首に、「弁当」を詰めて売っている話である。だから「弁当」でなく「弁頭」。大学のキャンパスで当たり前のように堂々と売られているのだ。ところが、買いに来た者は、「弁頭箱」を目の前にしながら、「最近あちこちで若い人が姿を消してるでしょ」なんて言って、その原因に気がついていない。そして、その「弁頭」を買っていく。

 「カデンツァ」は、人と家電が恋する話。なんと炊飯器やホットプレートとの間に子供ができたりするのだ。 また、表題の「壊れた少女を拾ったので」は、壊れた少女を工場で修理する話である。これらの作品では、生物と無生物の境が無くなってしまっている。

 「赤ヒ月」も異常な作品である。人間の内臓を食い合う話だ。

 しかし、これらの作品は、あまりにも異常な世界であり、その極端なナンセンスさゆえに、かえってそれほど怖くはない。それでも、一番怖い、いや気持ち悪いと思ったのは、「桃色遊戯」という作品である。別に題名から連想するようなエロチックなものではない。世界がピンク色のダニに多い尽くされていくという話だ。このダニは、何でも食い、どんな薬品にも耐性を持つので退治できない。世界はピンク色に覆われて、静かに死んでいくしかないのだ。ダニって、見るからに気持ち悪いのに、そんなものに世界が覆われるなんて、ぞっとしてしまう。だいぶ趣は違うが、映画の「渚にて」をちょっと連想させるかな。


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「壊れた少女を拾ったので」(遠藤徹:角川書店)
   


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Last updated  March 26, 2008 10:27:51 PM
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