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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

2007.12.23
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 かっては、優秀な人の将来性を表す言葉として、「末は博士か大臣か」という言葉があったが、今や完全に死語と化してしまっている。

 私が学生の頃は、理工系でも博士課程に進むものは少なかった。その一番の理由は、就職の間口が極端に狭くなるからだ。理工系の場合は、科学技術の高度化により、学部までだと専門性を身につけにくいため、多くの人間は修士課程まで進む。修士の就職率は一般に良い。しかし、日本の企業の場合は、学部卒に比べて、修士であることにほとんどメリットはないというのが現実である。これが博士課程まで行くと、極端に進路が狭くなってしまうのだ。

 そのような状況は、現在でもそれほど変わっていないと思うのだが、分野に関わらず、博士の数はどんどん増加しているようだ。これは、大学院重点化政策が原因であり、少子化が進んでいるにも関わらず大学院生の数はどんどん多くなっているという。ところが、増え続けている博士の受け入れ口は非常に少ない。その結果、高学歴のフリーターが増加しているというのである。「高学歴ワーキングプアー」(水月昭道:光文社新書)は、このような状況に対して警鐘を鳴らしている書である。

 この本によると、博士課程修了者たちの就職率は50%程度であるという。しかるべきところに就職できなかったものたちは、不安定な雇用環境に身をおかざるを得ない。安い賃金で大学の非常勤講師を掛け持ちしているというのはまだ良い方で、コンビニなどのアルバイトでなんとかしのいでいる者も多いようである。中には、パチプロになったり行方知れずになるものもいるという。

 著者の言うように、経営上の理由で大学院の重点化を進めたあげく、税金をつぎ込んで養成した博士が社会で活用されないというのは税金無駄遣いであろう。もっとも、市場原理を無視して、需要のほとんどない分野で大量の博士を作りつづける制度をそのままにしておくこと自体も、税金の無駄遣いなのだが。
 
 最後に一つ蛇足を付け加えたい。仮にも、博士課程に進もうという者たちである。自分の進もうとする分野がどんな状況なのか、あらかじめ調査・分析するということも現実問題としては必要ではなかったか。甘い幻想に惑わされることなく、自分の将来を、しっかりと切り開いて欲しいものである。

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「高学歴ワーキングプアー」(水月昭道:光文社新書)
   


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最終更新日  2008.03.21 07:26:55
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