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カテゴリ:日々の読書(ビジネス)
私はギャンブルをやらないが、競輪や競馬などで、かなりの確率で、誰が勝つかの予想ができるのなら、話は変わってくる。株式にしてもしかりである。この外にも未来のことが予想できたら便利なことは色々とあるであろう。
未来を予想するにはどうするか。専門家の予想は、過去のデータを利用することはあるにしも、自分の経験や高度な勘による部分も多いのではないかと思う。しかし、あるデータを入力すると、コンピュータが未来を予測してくれれば、こんな楽なことはない。実は、このアイディア自体は、回帰分析という手法として昔から知られている。過去のデータから、データ間の相関を表す式を導き、これを予測に使う方法であり、計量経済学などでも使われている。「その数学が戦略を決める」(イアン・エアーズ/山形浩生:文藝春秋)は、そのような方法が、専門家の出す予想に比べて、ずっとすぐれていると言うことを主張した本である。 ただし、この方法、言うは安くなのだが、予測したいものと、相関関係の高いデータを探すのが結構大変で、多量のデータ処理を必要とすることも多い。しかし、コンピュータの発達により、データ処理は、昔より格段に楽になっている。 この本の冒頭には、ワインの値段を予測する方程式が紹介されているが、専門家の意見よりずっと制度が良いと言う。また、中ほどには、性犯罪者の再犯リスク評価という意外な応用例も出ている。ただし、この本の中にも書いてある通り、この方法は万能ではなく、繰り返し発生する事象にしか使うことができず、一回限りの出来事には適用できない。 内容は非常に興味深く読めるのだが、やたら「絶対計算」とか「絶対計算者」という単語がでてくるのが気になる。原題は「Super Crunchers」なので、「ものすごく計算ができる人」と言ったような意味かと思うのだが、「絶対計算」といわれると、「なんのこっちゃ?」と思ってしまうのである。 ○応援クリックお願いします。 ![]() ![]() 「その数学が戦略を決める」(イアン・エアーズ/山形浩生:文藝春秋) ![]() 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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