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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

2008.11.05
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カテゴリ:映画(日本映画)
 ちょっと前に、東野圭吾による原作の方の記事を書いたが、3日の月曜日に、今話題の映画「容疑者Xの献身」を子どもと見に行ってきた。月曜日はメンズデーで、男性は1000円で入れるとのことで、ちょっと得した気分である。言うまでもなく、湯川准教授が持ち前の頭脳で、一見完全犯罪に見える事件のトリックを解き明かすという「ガリレオ」シリーズの一つである。

「容疑者Xの献身」(東野圭吾:文芸春秋社)
  

 映画の方も、私の記憶している限りでは、細かいところでは相違はあるものの、大筋では原作に沿っていたと思う。内容は、石神のアパートの隣の部屋に住む花岡靖子と娘の美里が、執拗につきまっとってくる靖子の前夫・富樫慎二を殺してしまったことから、靖子に好意を持っていた石神は、二人を助けるために、彼の天才的な頭脳で、犯行の隠蔽を図るといったものである。石神が高校の数学教師で、元々は湯川の大学時代の同級生であり、湯川も認めた数学の天才であるというところも原作どおりである。ただ、原作の方では、「ダルマの石神」というニックネームが付いていたが、さすがに堤真一からは、ダルマのイメージは感じられないためか、映画の方では、単に石神と呼ばれていた。

 原作でも、映画でもこのあたりは、はっきりとは書かれていないが、おそらく石神は、ありあまる才能を持ちながら、数学という名の悪魔に翻弄され、大した業績はあげられなかったのではないだろうか。いくら才能があって、努力をしていても、幸運の女神がほほ笑んでくれなければ、大きな業績は残せない厳しい世界だ。特に、石神は、四色問題のエレガントな解法など、一か八かの大物狙いの節が見受けられる。高校の教師でも、論文を発表する場はあるので、業績を上げてさえいれば、無名だということはないであろう。才能がありすぎるゆえの悲劇だったのではないかと思う。堤真一は、心に屈託を抱えたこの石神の役をうまく演じている。

 湯川と石神が二人で雪山に行くシーンがある。確か原作には無かったと思うが、これの必要性はよく分からない。この話は、あくまで、どう事件を論理的に推理していくかというところが重要な点である。湯川も石神も論理の徒なのである。こんな情緒的なシーンを挿入する必要が果たしてあったのだろうか。でも、雪山の景色は奇麗だったから、まあいいか。

 湯川も、今回は、例の、いきなり数式をところかまわず書き始めるといったことはやらなかった。今回は物理トリックでなかったからか、数学者である石神から、物理学者が使う数学は厳密性に欠けると怒られるのを恐れたのか(笑)


(原作)
・東野圭吾:「容疑者Xの献身」

(監督)
・ 西谷弘

(出演)
・福山雅治(湯川学-)
・柴咲コウ(内海薫)
・北村一輝(草薙俊平)
・松雪泰子(花岡靖子)
・堤真一(石神哲哉)
・渡辺いっけい(栗林宏美)


○原作「容疑者Xの献身」の記事はこちら

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最終更新日  2009.07.18 10:24:56
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