時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

2009/09/13(日)18:52

硫黄島からの手紙

映画(外国映画)(77)

 15日の土曜日は、終戦記念日ということもあって、フジテレビ系の土曜プレミアムで、「硫黄島からの手紙」を放映していた。第二次世界大戦における硫黄島での激戦を日米双方の視点から描いた硫黄島プロジェクトの一つで、日本側の視点からあの戦いを描いたものである。アメリカ側の視点から描いた「父親たちの星条旗」と対になる作品だ。 ○DVD「硫黄島からの手紙」&オリジナルサウンドトラック      東京の南1080kmに位置する硫黄島は、第二次世界大戦下における日米双方の軍事上の要地であったために、両軍の間で壮絶な攻防戦が繰り広げられた。この時死亡した日本兵士は約2万人、生還した者はわずか千人あまりだという。また、米軍側も約7千人という死者を出しており、史上希に見る壮絶な戦いであった。この作品は、硫黄島で、強大な兵力を備えたアメリカ軍との戦いに臨んだ栗林忠道中将以下日本兵たちの思いを描いたものである。  当時は、マリアナ沖で連合艦隊は壊滅させられた日本は、制海権、制空権を失い、硫黄島の兵たちは孤立無援の状況であった。そんな状況でも、彼らは国のためにと、まるでイナゴの大群のように海を埋め尽くすアメリカ軍に対し、勝ち目のない戦いに向かう。  この作品の教えてくれることは、精神主義に毒され人に死ぬことを強いる指導者の愚かさであろう。負け方を考えるのも指導者の責任である。いかに被害を少なくして負けるかということを考えずに、ただ人に死ねとしか言えない者は指導者の資格はない。  西中佐が負傷したアメリカ兵を救助したり、アメリカ兵が日本側の投降者を咥えたばこで射殺するといったシーンンも描かれ、触れ込み通り、日本側の視点に立った作品となっているといえよう。 (監督) ・クリント・イーストウッド (出演) ・渡辺謙(栗林忠道陸軍中将) ・二宮和也(西郷昇陸軍一等兵) ・伊原剛志(西竹一陸軍中佐)  ほか   ○応援クリックお願いします。      ○関連過去記事 ・「父親たちの星条旗」 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら 風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら  

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