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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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January 22, 2010
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 泉鏡花による戯曲の傑作、「夜叉ケ池・天守物語」(岩波書店)。泉鏡花は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家で、昔なら国語の授業で名前くらいは覚えたものだが、最近はどうなんだろう。鏡花と言う名前から女性を連想してはいけない。本名を鏡太郎というおじさんなので、念のため。

夜叉ケ池・天守物語(泉鏡花:岩波書店)


 さて、この本には、表題から分かるように2つの話が収められている。簡単にどんな話か紹介しよう。

 「夜叉ケ池」は、越前国の琴弾谷と言うところを舞台にしている。この地にある夜叉ヶ池には伝説があった。その昔越の大徳泰澄に封じられた龍神は、必ず麓にある鐘を、日に3度鳴らさなければ、契約から解放され、この地を水の底に沈めてしまうという。萩原晃は、伯爵の子息でありながら、数奇な運命のめぐり合わせで、美しい村娘百合を妻に、鐘楼守をしている。ところが、村人達は、百合を雨乞いの犠牲(にえ)にしようという暴挙にでる。

 一方「天守物語」の方の舞台は、播州姫路の白鷺城(姫路城)だ。この城の天守閣の最上階には、「天守夫人」と呼ばれる亀姫という名の、美しい人外の者が住み着いていた。ある日、姫川図書之助という若き鷹匠が最上階に登ってくる。図書は、鷹を逃がしたことで罪を着せられ、切腹の代わりに、誰も上ろうとしない天守の様子を見に行かされただ。ところが無事に役目を果たした図書を、城主の播磨守は賊扱いして殺そうとする。

 戯曲ゆえか書かれた時代のためか、言葉自体が、現在と違っているので、読んでいく上で多少の戸惑いはあるかもしれない。また、通常の小説と異なり、戯曲のため、ほとんどが、台詞のやりとりだけでストーリーが進んでいく。しかし、読み進めていくうちにそんなことは気にならなくなってくる。どちらも、登場するのは、美しい女性の妖異。そんな妖異の繰り広げる怪しくも美しい作品世界にどんどんと引き込まれていくだろう。
 
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Last updated  January 22, 2010 09:22:56 AM
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