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カテゴリ:F1・モータースポーツ
トヨタのF1へのチャレンジは8年(準備期間を入れれば10年)で幕を閉じることになった・・・・。
世界一位の自動車メーカーにまで上り詰めたトヨタ自動車ではあったが、F1ではただの1勝すら上げることも出来なかった・・・・ブザマ!とあえて私は言う。 F1チームの中で最も規模が大きく、最大の予算を使っているといわれたトヨタは、F1を舐めていたふしが最初からあった。 「2年で1勝目を挙げ、5年で年間チャンピオンになる」という大見得は無残にも崩れた。 全てトヨタの思想に基づき、量産車の生産量で世界一になったという、トヨタの企業としてのスタイルを基本に、自前のファクトリーをドイツに置き、数年前にマイク・ガスコインを解雇した時は、彼個人の能力から学ぶべきことは学び終えて、もうカリスマデザイナーは要らないと考えたのだろう・・・。 傑出したチーフデザイナーの才能と能力によって勝つのではなく、理論と合理性を中心にすえて、合議の元に、トヨタ方式で勝利することを目指したシステムであったのだろうが、皮肉にもロス・ブラウンとエイドリアン・ニューエイという傑出した二人のチーフデザイナーが作り出した、ブラウンGPのマシンと、レッドブルのマシンに歯が立たない2009年であった。 トヨタ方式は間違っていたのだろうか?彼らは自分達のやり方に自信を持っていたはずだ・・・・・。 やはり彼らは思い上がっていたのだろうか?・・・・売れる車を作ることには慣れていたと思う、他社の良い車の特徴を素早く分析して競合する車種を作り上げて販売チャンネルに投入し、価格競争で先んじ、自らのブランド力に物を言わせて販売を伸ばす・・・・。 だが、彼らは思い違いをしていたと言えそうだ。市販される量産乗用車の売り上げは、価格とその車の持つ商品価値のバランスで決まってゆくものだから、トヨタというブランド力の後押しも強力であり、勝れたバリューの商品を安く投入できれば自ずと勝者になれたのだが、それらのトヨタの武器は、最も速い車を必要とするF1という競技とはほぼ無縁な要素なのだ。 つまり、純粋に機能の優劣が問われたのであり、トヨタF1チームに従事する人間全ての総合力と、F1チーム最大と言われた運営費を使った結果として、一勝すら得ることなく敗北し撤退したのですから、ブザマと言うほか無いのです。 傑出したエンジニアの力だけがF1に勝つ道であるとは、全く考えてはいないが、個人レベルのアイデアが、実は重要であり、こうして年間500億円以上を使っていたと言われる、トヨタとトヨタ方式をねじ伏せ得るという事実に、エンジニアの端くれの私は快感すら感じるのです。 黄色の文字部分は11月6日加筆分 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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