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2016.03.08
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カテゴリ:車・バイク
小排気量のディーゼルエンジンは最近になって珍しくなくなってきたが、以前は何が障害で小排気量のディーゼルが無かったのか?

原因は3つあると思うが、先ず技術的に考えて、振動の大きなディーゼルエンジンはせめて4気筒程のマルチシリンダーでないと振動が多すぎるので、4気筒の小排気量で、1シリンダー当たりの微量な噴射量をきちんと管理するほどの精密なインジェクターを作ることができなかった。

高圧縮比が必須の条件と考えられていたため、頑丈な鋳鉄シリンダブロックが必要になり、軽く安価なディーゼルエンジンは作りづらく、小さな車への搭載はコストメリットが少なく、真剣に検討されて来なかった。

燃費が良く、燃料も安く、強いトルクも出せるが、振動や音、ススや窒素酸化物の多い排気ガスの問題があって、小型化しても乗用車等のエンジンとしては受け入れられるとは考えにくかった。

そういった問題をほとんど解決してMAZDAはスカイアクティブディーゼルエンジンをリリースしたのですが、スカイアクティブエンジンだけでなく、ディーゼルエンジンの燃料噴射は、非常に高圧に燃料を加圧して噴射するため、僅かにインジェクターの噴射時間が伸びてしまう様な狂いでも燃料が必要以上に多く噴射されてしまい、燃費の悪化、不完全燃焼、ノッキング、排出ガスの汚濁などの様々な悪影響が出てしまいます。

その為、スカイアクティブディーゼルエンジンだけではなく多くのディーゼルエンジンは燃料噴射量の定期的な校正を必要としているのです。

実際、スカイアクティブ1.5Lディーゼルエンジンでは最大2000気圧にも及ぶ超高圧に燃料を加圧し、5000rpmの時では約0.003秒間に数回の噴射を行っていますから、一回の噴射は0.0005秒ほどで行っている計算になりそうです。

よく考えるとこれは物凄い精密な作業で、電気的な信号でインジェクターを動かすソレノイド(電磁石)に非常に短いパルス電流を流してほんの一瞬燃料の流路を開放して微量の燃料を噴射しているという事です。(スカイアクティブ2.2Lディーゼルではピエゾ素子インジェクタ)

燃料に2000気圧もの非常に高い圧力をかける理由は、圧力が高ければ高いほど燃料の粒を小さくして噴射が出来るためで、細かな霧になればなるほど、空気とよく混ざって完全燃焼に近づくことが出来るからです。

そんな短い時間で開き、そして閉まるインジェクターが、気温の変化や、バッテリーの状態、燃料の流動性と言った外乱でも安定して動くように設計されているものの、やはり少しずつ経時変化が起きて、ほんの少しだけ噴射時間が狂って来るのです。

僅かにインジェクターの開く時間が長くなっても、コモンレールに蓄えられた燃料の圧力が洗車用の高圧洗浄ガン程度の2Mパスカル程度であればそんなに噴射量も変化しないはずですが、ディーゼル燃料の圧力はその100倍近い圧力が在る為、ほんのわずかにバルブが開く時間が長くなったとしても、問題は非常に大きなものになるという訳です。

それ故、スカイアクティブ1.5Lディーゼルも、一年に一度程度は、コモンレール燃料噴射学習と言う作業を行って、噴射したはずの燃料の量を、排気管の温度上昇や排気に含まれる残存酸素量を正確に測り直し、噴射すべき燃料の量が正しく計量されているかをチェックし、多すぎれば減らし、少なすぎれば増やすような微調整を行って、適正な燃料の量を噴射するようにその時だけフィードバック制御をかけている。と言うのがコモンレール燃料噴射学習という動作の中身という訳です。

私のデミオが11月になって急に燃費が悪化し始め、どうにも止まらなくなったのも、或いはこの燃料噴射計量にも狂いが生じていたのかもしれないと思いました。

そんな可能性から・・・・一年に一度とは言わず、季節が変わって気温が下がったり上がったりしたときに再学習をさせるのが賢明と思った次第です・・・・。


その様な考察から、サブコンを取り付けている場合は、一時的に機能を停止するか、外してコモンレール燃料噴射学習を行うのが正解と考えます。

何故なら、アイドリングだけでなく回転を上げて、回転数が高い時の燃料噴射量も校正するからで、もしサブコンの機能で多めの噴射が起きれば、排気中の残存酸素が減り、排気温度が上がる為、ECUはそれを修正して、少なく噴射するようにマッピングしてしまうはずだからです。

そして、私はこのスカイアクティブDのコモンレール燃料噴射学習を利用したアイディアを思いつきました。

それは、エアークリーナーカバーに大きめの穴を開けるなどしてからその穴部分をガムテープなどで塞ぎ、ECUが高回転時のアジャストを行うときに合わせて開口してエンジンの吸入抵抗を下げてコモンレール燃料噴射学習を行うというアイディアです。

高回転時には通常より吸入抵抗が下がって、酸素量が基準より多く入るから、噴射量に対して排気中の残存酸素量が増えることになり、エンジンのECUは高回転時の噴射量が足りないと反応するのではないか?もし排気温度より残存酸素量を基準にしているなら高回転時の燃料はやや多く噴射するようにマッピングされ、パワフルな設定になるのではないだろうか?・・・・・もし私の予想が当たっていれば、費用を一切かけず自分でデミオのECU・ROMの簡易的チュニングが出来るのかもしれません・・・・。

そしてコモンレール燃料噴射学習が終わってから再びサブコンを取り付けるのです・・・・・フフフ。

如何でしょう??私やってみます・・・・・。

注:(コモンレール燃料噴射学習で使われるフィードバックデータのアンサー要素は残存酸素量をチェックしている可能性のほうが高いと予想しているのだが、その理由は・・・燃料噴射の量が適正であるかどうか?車が自分で判断するには、どれぐらいの噴射量があったかを知る必要があり、それを知る手立ては、残存する酸素の量の他に、排気温度、過給圧の上昇、などがあるが、最も確実な変化は排気中の残存酸素量であるだろうし、複数の変数条件を考慮すると学習にはもっと時間が掛かり、短時間では不確実になるはずだからです)

以下の画像はコモンレール燃料噴射学習を自分で行うための資料です。(くれぐれも自分でやるには自己責任で)

   ↓ ボンネットの中のヒューズボックスの位置



   ↓ ジャンパーを使って5秒以内に5回、端子とボディーアース間をショートさせる。



   ↓ MAZDAのマニュアル...その1



   ↓ MAZDAのマニュアル...その2







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最終更新日  2016.03.08 13:41:04
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