2021/03/21(日)19:45
コンシューマー・レポートの公平性
マツダが「最良の車を作るブランド」で首位に輝いたことの意味は大きいと思うのは、コンシューマー・レポート誌が以下のような厳密な公平性を常に維持しながら審査していることで解ると思うのだが、例えば日本にこれと同じシステムを実行する中立的な機関がない事でも解るだろう。(青字部分引用)
集計にあたりCR誌は、4つの指標を判断基準とした。実際に車両を購入し50回以上の評価テストを実施して導き出した「ロードテスト・スコア」、類似モデルのオーナーから寄せられた故障報告数から算出した「予測信頼性スコア」、オーナーが将来また同じモデルを買いたいかをアンケート調査で訊ねた「オーナー満足度」、そして衝突テストの結果と全グレードに標準搭載された安全装備から判断した「安全性スコア」だ。これら4つの指標を組み合わせた総合スコアの順のランキングとなっている。
コンシューマー・レポート誌(2月18日。以下「CR誌」)が発表したランキングは以下の通り。かっこ内に前年からの順位の変動と、ブランドの総合スコアを示した。
1位(↑3):マツダ(80)
2位(↑6):BMW(78)
3位(±0):スバル(76)
4位(↓3):ポルシェ(76)
5位(↑10):ホンダ(75)
6位(↓1):レクサス(75)
7位(↑5):トヨタ(74)
8位(↑10):クライスラー(74)
9位(↑10):ビュイック(72)
10位(↓3):ヒュンダイ(71)
10位以下のメーカーで知名度のあるものを挙げると
11位:アウディ
13位:日産
16位:テスラ
18位:フォルクスワーゲン
21位:メルセデス・ベンツ
25位:フォード
29位:ジープ
30位:三菱
32位:アルファ・ロメオ(最下位)
このランキングは、誰かの好き嫌いで選ばれていない事、性能の数値の良し悪しに大きすぎる焦点を当てていない事、美しいかどうかを主要な選別対象としていない事、10年単位の長期的な耐久力については調査が十分とまでは言えない事、等を織り込んで読む必要はあると思うが、冒頭に書いた様にこのコンシューマーズ・ユニオンが実際に車を購入して50回以上の評価テストを実施して導き出した「ロードテスト・スコア」を始め「予測信頼性スコア」、「オーナー満足度」、「安全性スコア」の4つの指標を組み合わせた総合スコアの順のランキングであるという事に注目していただきたいのです。(「オーナー満足度」の中には、「性能と美しさ」も、恐らく隠れて評価に含まれているはずですが)
マツダの車は7車種がテストされたと書いてありましたから、その他のメーカーも恐らく同様に主要車種は購入され、数十回に及ぶ評価テストがなされたと思われます。(日本の自動車評論家のごとく、他人の褌で相撲を取るようにメーカーに貸与された車を、お世辞交じりに語って生計を立てる。そんな評価とは全く異なる次元と言えて、実際に車を購入して評価するので、遠慮無く悪いものは悪いと言える環境で評価が行なわれると言うことを意味します。)
それを知れば知るほど、こうした分厚い評価テストを経てマツダが最も高得点をたたき出したことは真の評価に値すると言えると思うのです。
私のような疑り深い人間は、メーカーのロビー活動は一切ないと言えるのか?テスト車両の納入に何の便宜も受けていないと証明できるのか?評価テストをするテストドライバーは本当に買収されてはいないのか?等の疑問が起きない訳ではありませんが、恐らくこのコンシューマーズ・ユニオンという組織にとってそこは不可侵の領域として維持しているところでもあるはずで、それがこの組織の生命線であると思えることから、もし、それを買収しようと試みたメーカーはどんな扱いを受けるかを想像すれば、恐らく「致命傷を受ける」と理解されているのではないだろうか?
私としてはコンシューマーズ・ユニオンのその公平性の管理の仕方について詳しく知りたいと強く思うと同時に、日本人に大人気の有名なドイツのメーカーが10位に入った韓国のヒュンダイ以下の下位に名を連ねていることが驚きであり、その中でも特にメルセデスの21位が目を引きました。